先日お預かりしておりましたF50ブレンボキャリパーです。いつものブレーキ屋さんにてサンドブラスト等の下準備を行って頂き、戻って来ていました。
脱脂清掃&マスキングもして貰っているので、この状態のまま本塗りも出来るのですが、
本塗り後に出来るだけ艶が出るよう、#180~#240で表面を研磨しています。
尚、画像の奥に映っている物は別のキャリパーで、今回は業者様からのご依頼品も並行して作業を行っています。
尚、この型のキャリパーは梨地が強いので(アルミ素地が凸凹しているので)、
装着して目立つロゴの部分はもう少し綺麗になるよう研磨し、さらにエポキシプライマーサーフェーサーを塗布します。
60℃40分程熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきます。
その後#320→#400→#500→#800と研いで均し、全体を脱脂清掃しました。
そして全体にプライマーを塗布します。先ほど塗ったエポキシプライマーサーフェサーと違い、ここで使うプライマーは厚塗りを出来ないタイプなので(と言うより通常「プライマー」と呼ばれる物は厚塗りは厳禁です)、これで梨地を均すという事はできない訳です。
続けて、膜厚を着けたく無い箇所(クリアーを塗らない箇所)にベースコートの黒を塗ります。
まずは下色を塗布します。隠ぺい力の良い色として無機顔料(オーカーやオキサイドレッド、白や黒)と、不要になって在庫していたゴールドを混ぜて作っています。塗料を捨てるという事は殆どしなく、こうやって再利用しています。
色はこの時と同じBNR34キャリパーの近似色を使用しています。
ここで一旦ブースから出して、業者様からご依頼頂いているブレンボの赤を塗ります。
そしてロゴ入れを行います。元と同じく横幅80mmでマスキングシートを作成しました。
ロゴの赤を塗布します。色はフェラーリのロッソコルサ(カラーコード:300)を採用しています。
クリアーはいつもと同じく2コート行い、二回目のクリアーが塗り終わったら直ぐにマスキングを剥がしておきます。
今回一緒に塗っている奥に見える赤いキャリパーは、いつもご贔屓頂いている業者様からのご依頼品で、以前「当店で塗った物で今まで何か問題があった事はありますか?」と伺ったところ、全く無し、サーキットでタイムアタックをしても変色や剥がれ等も無く全然大丈夫とお墨付きを頂きました。
この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。
それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!