ハーレーエンブレム塗装承ってます

先日到着しておりましたハーレー2023年ストリートグライドのエンブレム2点です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

素材は金属製で、

メッキが施された上に、凹んだエンボス部分に黒とグレーで着色されています。

御依頼内容としては、現状メッキとなっている凸部をトヨタ「グレーメタリック」(カラーコード:1G3)に、

凹部をトヨタ「ブラックメタリック」(カラーコード:205)の2トーンカラーに、艶あり仕上げクリスタルクリアー仕様で承っています。

このような組み合わせになる感じですね。

裏側に貼ってある両面テープは一旦剥がすので、

型を取ろうと思って直接エンブレムをスキャナーで読み込んだのですが、形状が湾曲しているのでその部分が暈けてしまいますから、

一旦両面テープを剥がし、本体から型を取る事にします。

ちなみによくやっているスバルのエンブレムであれば台紙のフィルムに色が着いているのでそのままスキャンできるのですが、今回のハーレーのエンブレムはこれが透明なのでそれが出来ないのです。塗ってしまう事も考えましたが、こちらは最後に再利用したいのでそれはしないでおく事にしました。

両面テープをしっかり剥がします。

ちなみに今回のエンブレムは同じ様に見えて実は左右が決まっていて、シールを剥がした時点でリューター等で印をつけておこうと思っていましたが、両面テープを剥がすとちゃんと記載がありました!こちらはⓇで、もう一方がⓁとなります。

両面テープを剥がしたエンブレムの裏側にマスキングテープを貼って、鉛筆の芯を当てて輪郭をトレースします。

それをスキャナーで読み込み、ベクターデータ作成ソフト(Illustrator)で輪郭のラインを作成します。

実際に作ってみて判りましたが、今回のエンブレムは左右対称では無く微妙に形が違っています。

まずは形の確認の為、カッティングプロッターでマスキングシートをカットします。

実際に合わせてみて細部を修正し、再びカットして確認します。比較的しっかりとしたラインからの作成だったので二回の修正のみで大丈夫でした。

出来上がったデータを基に、今度はレーザー加工機で両面テープをカットします。

「最初からカッティングプロッターで切れば良いんじゃ?」と思うかも知れませんが、厚みがあり糊の着いた両面テープは普通のカッターでは簡単に切れないので、レーザーで焼き切る!という方法で行っています。ハサミが一番楽なのですが、それだとどうしても綺麗な形に切れないので今のところはこの方法がベストですかね。

尚、今回は形の違うタンクに貼り付けるとの事で、エンブレムのテープの上に、さらにもう一枚両面テープを貼って隙間を埋めたいとの事ですから、2セット分を作成しています(有料)。

ちなみに時々「両面テープだけ作って販売して欲しい」というお問合せがありますが(結構あります…)、こちらはあくまでも塗装の御依頼の付帯作業と言う事で、これ単体ではお受付しておりません。同じような感じで、「自転車フレームの塗装の剥離だけを」や「色は自分で塗るので下地処理だけ」といった事もお受付しておりません。何卒御理解頂けますようお願い申し上げます。

尚、2色それぞれを塗り分ける方法としては、こちらのBRABUSエンブレム塗装の記事が判り易いかと思います。

こういった凹凸形状をマスキングで塗り分けるのは非常に難しいのですが、二回に別けて塗り分ける事で比較的現実的な方法で作業が可能です。

ちなみに「非現実的な方法」としては、例えばこれ一つの為にマスク型を作るような感じで、これに関しては以下の動画が判り易いかと思います。何百個も塗るならこうする方が断然お得ですが、当店のように毎回違う物を塗るとなると大赤字です。

また今回は「出来るだけ仕上がりを良く」との事ですので、一度仕上がってからもう一度全体を足付け処理してクリアーだけを塗る作業も承っております。本来であれば磨き処理が出来れば良いのですが、形が形ですのでそれは出来ず(あっという間に下地が露出します…)、なのでクリアーの二度塗りで対応させて頂きます。以前施工したホンダのオイルキャップ&フューエルキャップの時と同じような感じですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!