フェラーリ488リモコンキーカバー塗装(一個目)完成

先日到着しておりましたフェラーリ488純正のリモコンキーカバーです。お預りしたのは2個ですが、一個は納期指定(短縮)のオプションで御依頼頂きましたので、傷の無いこちらを先に塗るようにします。

傷がある場合はその部分を「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で下地処理が必要ですが、今回は新品状態の物なので足付け処理のみでOKです。「元の塗装は剥がさないの?」と思う方がいらっしゃるかも知れませんが、例えば自動車ボディの塗装をする際、元々塗ってある塗膜を剥がすなんて事はまずありません。状態が良い塗膜であれば、足付け処理を行ってその上に塗り重ねるの事が自動車補修塗装では通常の作業となります。

ちなみに自転車フレームの塗装も当初同じ様に考えていたのですが、あちらの塗装は自動車塗膜のように良質な物が少なく(層間でも密着不良が多いです)、結果全部剥してから塗り直す事を基本としました。ヘッドカバーのような工業金属塗装も同様です。屋外保管で数十年雨ざらしにしても錆が出ないなんていう自動車ボディの塗装は、本当に素晴らしい技術で成り立っているのだと思います。

被塗面に細かい傷をつける事で元々あった艶が消えています。

よく脱脂清掃し、エアーブローで埃を飛ばします。

こちらのパーツは元々赤い着色樹脂に赤い塗装が施されていて、裏側はプラスチック素地のままなので念のためこの部分だけプラスチックプライマーを塗っておきます。

尚、今回の塗色は前回御依頼頂いた物と同様で、これに関しては計量調色で色を作っているので、時期が変わっても基本的に色が変わるという事はありません(メタリックやパールの場合は塗り方で色味が変わる場合があり、また原色自体の色ブレ(lotブレ)が生じる事も無いとは言えないので絶対とは言い切れない所はありますが)。

まずはグレーと今回の青を足した物を下色として塗布します。

続けてご指定頂いた色=フェラーリ純正色「BLU POZZI」(カラーコード:520)を塗布します。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

尚、納期指定(短縮)のオプションは施工事例のある物、対応が出来る物に限ります。例えば初めて触れる物については思わぬトラブルが生じる事がある為、お受付はしておりません。

また仕上りが上がらないのに費用が上がるというのは私的にも望んでおりませんので、特別な理由が無ければ順番通り気長にお待ち頂ければと思っております。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

もう一個のキーカバーを塗るのは数カ月先になるので、残った塗料を瓶に詰めて保管しておく事にしました。新たに作り直しても計量調色なら同じ色が作れる筈ですが、その手間の事を考えるとこの方がこの方が確実ですかね。

そして組付けて完成です。お待たせしました!

最初の状態も紹介します。

左側が全開御依頼頂いて傷が付いてしまった物で、こちらはまだ未着手となります。右の赤い方が今回塗った物ですね。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!