CASIO BABY-G 乾燥硬化中

gshock35 先日本塗りを終えていますカシオBABY-Gのパーツ一式です。

画像は工場一階の乾燥炉(恒温機)で、BABY-Gは既に2回程熱を入れて強制乾燥していますが、念の為もう一度熱を掛けておこうと思っています。

gshock36 塗装方法は通常の2コートメタリック塗装ですが、クリアーに軟化剤を入れてフルフレキシブル仕様にしてあります。被塗物がゴムのように柔らかいので、その上に塗った塗装が割れないようにですね。

gshock37 クリアーに入れる軟化剤は通常10~15%程ですが、今回は念の為20%入れてあって、それ故に何度も熱を入れてしっかり硬化を促そうとしています。

ちなみに少し前にSTANDOXのオフィシャルサイトで軟化剤を30%入れるようなマニュアルを見たような気がするのですが(確かVOCクリアーとの組み合わせで)、その後それを探しても見つからず、結局15%添加のマニュアルしか見つかりませんでした。まさかここ数日で消えたとも思えませんし・・・夢でも見ていた気分です(本件とは関係ありませんのでご安心下さいませ)。

gshock39 ちなみにこちらはカップに余ったクリアーを取り出して一緒に熱を掛けて確認しているところです。

factory (1 - 1)-35通常カップから出したクリアーの塊は外気に触れると一気に溶剤が抜け、こんな感じでひび割れて崩壊が始まりますが、軟化剤が入っていればクリアーに柔軟性が持たれるのでこうはなりません。まあこれは極端な例ですけどね(笑)。

gshock40 今回は軟化剤を20%入れているという事で、ここまでの厚みの物をこんなに曲げても割れません。

gshock41 表裏どちらに曲げてもヒビ一つ入りません。

ただしこれは塗料樹脂が完全に硬化していないという事もあって、この後経年していく内に徐々に樹脂は固くなっていきますから、もしかしたら同じようにして割れてしまうかも知れません。

実はこういうテスト的な事は塗装屋さんなら誰でもやっていたりしまして(多分)、それが故にこういったゴミみたいな物(!)がその辺に溜まっていってしまいます。そう、それはただのゴミじゃないんですよ!(と言い訳を代弁しておきます)。

gshock38ちなみに今回テスト用の為にジャンク品のBABY-Gも用意しておりまして、ご依頼品と一緒にこちらも同じ条件で塗装しておきました。さすがにご依頼頂いた品で引っ張りテストとかをやる訳にはいきませんが、これなら本体が千切れるまで大丈夫!と言う算段です。一応分解するところから撮影はしていますのでいずれテスト結果と共に紹介したいと思います。

全然話は違いますが、湾岸ミッドナイトと言う漫画で「大田リカコ」と言う女性メカニックが登場するのですが(「スピードファクトリー RGO」代表の大田和夫氏の娘さんです)、悪魔のZと神谷エイジのランエボが対決する時にこのリカコもランエボに同乗し、自ら組んだエンジンの限界を知ろうとして隣のエイジを激しく煽るシーンがあるのですが(記憶が違っていたらすいません)、隣のリカコはエンジンが逝かなくてガッカリ・・・。恐らく自分が組んだエンジンがどこまで回るのか、どこまで行けば壊れるのか、壊れた後のエンジンの中が見たい!と言う心情だったのだと思います(何のことだか全く判らない方にはすいません・・・)。

エイジを煽るシーンでの彼女は異様に目をギラギラさせていて、若かった私は「コイツ狂ってる・・・」と結構引いたのですが(笑)、実際作り手の側になってみるとその気持ちが良く判るところがあって、なので今回のようなテストをしているのだと思います。

しかしあの漫画に出てくる作り手って確かに一芸に秀でているのですが、それ以外は人生を捨てているというかかなり狂っていますよね(苦笑)。私はそうならないように気を付けたい次第です。

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