レンジローバー1/18ミニカー 分解

 先日塗装のご依頼でお預かりしておりました、AUTO ART社製の1/18レンジローバーのミニカーです。

分解については業務外なので、こちらの社外記にて紹介をさせていただきます。仕事としてはお受付しておりませんのでご了承くださいませ。

 そのまま作業をすると車体を横にした時にドアミラーが折れてしまいそうなので、まずはドアパネルから外すことにしました。

ドアトリム(内装)は実車と同じようにヘラを差し込んでバキバキと外していきます(実車はクリップですがこちらは接着です)。

ドアトリムを外したら蝶番を外し、ドアパネルを取り外しました。

 ちなみにこのミニカー、裏側にネジが殆ど見当たりません(見える穴は台座に固定する為のネジのようです)。

普通は裏側のネジを外せば取れるのですが・・・、

 よく見るとバンパーがボディに接着されています(恐)。

 カッターとヘラで少しづつ接着剤を剥がし、バンパーとテールランプを取りはずしました。

 フロントバンパーも同じように接着で、ヘッドライトはバンパー側にカシメられています。

前後バンパーを外して見えたネジを外し、ようやくシャシーが取れました。フロアーやシートなどはそのままゴソっと外せます。

 ルーフライニング(天張り)も接着されていて、またルームライト部がメクラ蓋になっていてボディとカシメられていました。知らないと真っ二つに割ってしまう感じで、まるでトラップなかなか良くできています。

 ルーフライライニングが取れて、リヤゲートの蝶番やサンルーフのガラス(実際はポリスチレン樹脂)が見えました。

 サンルーフもボディ側とカシメられているので、

それらをベルトサンダーで削り、ヘラで剥がしました。また3Mのパネルボンディング工法よろしく、カシメに接着剤が併用されているので、これらを割らずに外すのは非常に難儀です。

 フロントフェンダーについているエアダクトは隙間が無い&奥まって嵌っているので、外側から取り外そうとするのは難しく、裏側からドリルで穴を開けてポンチで押し出す事にしました。

車体に穴を開けてしまっていますが、外観には関係の無いサービスホール(作業上あると便利な穴)なので問題はありません。フェラーリのリモコンキーからエンブレムを外す場合と同じですね。後でエポキシパテを詰めておきます。

 L字型に回り込んだクォーターガラス(&ピラーモール)は外すのが難しく、

かなり気を付けて作業をしたのですが割れてしまいました。

が!今回は部品取り用にもう一台をご用意頂いていますので、そちらから無事に取り外せて難を逃れました。

 そしてリヤゲートです。レンジローバーは昔からリヤゲートが2重になっているので判っていましたが、ちょっと厄介です。

 エンブレムは再利用したかったのですが、

シート状になっているのでは無く、文字が一つずつ分離してしまうタイプだったので再利用は難しそうです。なのでこちらはデカールで作り直します。

オーナー様から頂いた画像を基にロゴデータを作成しました。

また今回はリヤゲートの形状が実車とは違うので、こちらをフラットに加工して「RANGE ROVER」のエンブレムを貼り付けようと思います。なので元々エンブレムが貼ってあったグレーのロアモールは、参考画像と同様にボディ同色に塗ってしまいます。

 そしてドアパネルの分解です。

ミラーとガラス(実際にはPS=ポリスチレン樹脂)はカシメと接着なので、ドライヤーで温めながらヘラやピックツール(先が尖った金属製の棒)を使って外していきます。抉る位置と方向に気を付けます。

ドアハンドルなどもしっかり接着剤が付いているので折らずに外すのは一苦労です。

 そしてホイールです。真ん中は車体下に装着されていたスペアタイヤで、左右はフロント側となります。今回はホイールも実車のように塗装を承っていますので、付属しているのキャリパーとローターを取りはずそうと思いましたが、

 全く外せなく、ロアアーム部のプラスチック部品が粉砕しました。

 どうやらハブと一体になったアルミ製の部品をホイールにプレスして入れられているようで、バイスグリップで掴んで外そうとしてもアルミの方が削れてしまう始末です。

さらにリヤタイヤは車体からの分解も難しそうで、仕方ないのでこのままの状態で塗る事にしました。壊れてもホールが無事ならスペアを使えばよいのですが、そういう問題でも無くなってしまいました。ただ隙間はあるので何とかマスキングで対応出来るかと思います。

 そして分解が完了です。こちらが塗装する外装パーツ一式です。画像には映っていませんがネジのメクラ蓋を含めて20点です(その他内装パーツもあります)。

 ドアパネルの上部も塗装するのですが、実車ならここは金属ですが今回はガラスの素材に使われているポリスチレン樹脂となっているので、STANDOXの塗料でこれが溶けないかが心配です。先に部品取り用の物をテストして挑もうかと思います。

 ドアのロアモールは異常な程接着剤が塗られているので、こちらも取り外さずマスキングで行う事にしました。

 ドアミラーは一部をボディ同色に塗装します。マスキングが難しいので、先に全体を塗ってしまい、その後艶消し黒を塗り直す方法にするかも知れません。

 フロントグリルはアッパー部のみ塗装します。

 以前塗った1/18のポルシェミニカーを想像していたのでそんなに大変では無いかと思っていましたが、部品点数だけで倍以上になっているような気がします。間違えました・・・。

 ドアトリムもボディ部(金属)と一体になってしまっている部分があるので、こちらも新たなボディーカラーのナラブロンズ(カラーコード:825)に塗ります。

 取り外した部品一式です。小さいものを含めると100点くらいあると思います。

分解作業はそれなりに大変でしたが、今回は部品取り用にもう一台ご用意頂いたので安心して作業が出来ました。尚、割れているヒンジ部分を取りはずすには同じようにボディ内部を分解しなければならないので、こちらも最終的にはバラバラになる予定です。

本業(塗装)の方はPRO_Fit日記で紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

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