BMWボンネットエンブレム修理塗装 完成

bmw167 大変長らくお待たせしました!年代物のBMWボンネットエンブレム、本日完成となります。無事この日を迎えられて本当に良かったです。これだけ見るとただのエンブレムですが(苦笑)、作業内容的には結構色々あったのです。全体の流れはこちらをご覧頂ければと思います。

bmw132元々の状態としては、エンブレムの表面にあった塗膜?が剥がれてしまい、今回はそれを元に戻して欲しいという御依頼でした。「買った方が早いし安いんじゃ・・・」と思うのは確かにその通りなのかも知れませんが、そうではないという事も世の中には結構あると言う事です。当店に御依頼頂いている内容の殆どはどれもそんな感じですからね(笑)。

bmw168単なる塗装と違っていたのは、ベースとなるプレートが平面では無く凸凹状のエンボス加工?のような造りになっていて、しかもそこはアルミの素地を活かした表現だったのでそれに沿って作業しなければならなかったという事です。この角度から見ると判りますが、中央の白とブルーの塗膜が浮いたようになっているのが判ると思います。実際は浮いているのでは無くそのフチのシルバー(アルミ素地)の部分が一段凹んでいるのです。

bmw169 今回唯一手を触れられなかったのが「BMW」の文字の部分で、ここはどうしても元々あった劣化具合は見えてしまいます。全てを溶剤または剥離剤で除去すると言うことも考えたのですが、塗装したプレートと周りの枠とでは一体物では無く、これを活かして(曲げないで)剥がすという事は難しいと思ったので今回はここまでに留めてあります。土台がもう一個あれば周りから削り落としてプレートを活かして外す、と言う事も出来たのですけどね(そこまでは・・・と言う事です)。

bmw170左のパーツは先に塗り終わっていたM6リヤスポイラーの牽引フックカバーです。こちらは普通にボディ同色で塗ってあります。

bmw171ちなみにエンブレムに塗ったクリアーは5回分となりますが、連続して塗っている訳ではありませんので特にこれが問題になる事はありません。塗装には当然「塗膜限界」と言うものがありますが一回の塗装では既定通りの膜厚(2コート)で、その都度完全硬化させて塗っている訳ですから単なる厚塗りと見解は違います。厚塗りで問題になるのは一度に塗膜厚をつけてしまう事で、そうなると硬化時の伸縮も大きくなりますから色々トラブルが出たりするのです。比較的膜厚の付けられるポリエステル系の樹脂を使えば作業は短縮出来ますが、そうなると車の内装に使われている木製品のクリアーみたいになってしまいますからね(伸縮性のあるウレタン系の樹脂ならばああはならないと思いますがそれだとコストが異様に掛かるのでポリエステル系UVクリアーが使われているのだと思います)。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度も御贔屓頂き有難う御座いました!