スマート用BRABUSエンブレム 下準備~下塗り

brabus32 こちらもお待たせしております。先日より作業着手していまして現在下塗りまで完了しておりますので御安心下さい。

上の画像は最初の状態で、まずは下地処理として全体にペーパーで傷を付けるなどする足付け処理を行いますが、今回のように形がイビツな物はペーパーでは届かない箇所があるので違う方法での作業が必要となります。素材が金属だったり粗い素地調整でよければサンドブラストが一般的ですが、このまま本塗りを行いたいのでそれだとちょっと激し過ぎるのです。

brabus33 と言う事で前回も採用したウォッシュコンパウンド+ナイロンブラシです。ウォッシュコンパウンドは研磨粒子を含んだ液体で洗浄成分も入っているのでこれで擦れば足付け処理と脱脂洗浄が一度で出来ると言う訳です。

brabus34凹んだ文字部分にウォッシュコンパウンドを付けたブラシを縦横無尽に擦るとこんな感じで細かい傷が付きます。艶が消えているのが判りますよね。元々撥水していた表面も親水性になっています。

brabus35そして再度シリコンオフで脱脂洗浄を行ったらプラスチックプライマーを塗布し続けてベースコートのフェラーリレッド(ロッソコルサ:322)、そしてクリアーを塗って下塗り完了です。ちなみに赤く残るのはエンブレム上面のみで、凹んだ文字の内部や外側側面などは全て黒になります。まさかこの塗り分けをマスキングで行うのは現実的ではありませんので、方法としてはこの後クリアーが完全硬化したら再度足付け処理~全体にベースコートの黒を塗って上面を削り、下にある赤を露出させます。その後またクリアーを塗れば綺麗に塗り分けが出来る、と言う訳ですね。

ちなみに「凹んだ部分に粘度を詰めれば?」とか「液体マスキングは?」と思うかも知れませんが、それでは全く綺麗には仕上がりませんから、通常職業として塗装を行っている方は普通そういう事はしません。イメージと現実は違うのです(苦笑)。

ただこの塗装を今後量産すると言う事であれば、凹み文字部分にピッタリ嵌る型を作る事は可能です。離型剤を塗って樹脂を流し込み、表面の出面を削って面を合わせれば脱着可能なマスキング用の型が出来上がります。ただかなりコストは掛かるので、最初の方が人柱となるか、或いは50個くらい受注が入ったら消化出来るかも知れません。まあどちらもあり得ませんよね(笑)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。下塗りのクリアーはしっかり硬化させたいので次の本塗りまでは少し時間を掛けると思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!