BRABUS Emblem

 smart-BRABUS用の純正エンブレムです。フロントグリルにクリップ着く物と、リヤゲートに両面テープで貼るタイプで、それぞれを赤と黒の2トーンカラーで塗り分けました。

元の状態がこちらです。

赤と黒をそれぞれをマスキングで塗り分けるのは困難な為、二回に分けて塗装を行います。

まずは足付け処理を行います。細かい箇所の研ぎはペーパーなどでは難しい為、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(リキッドタイプの研磨粒子)を使います。

 よく脱脂清掃をし、台にセットしたら本塗り開始です。

尚、手前のフロントエンブレムは黒い部分が樹脂素地の為、色を塗る前にはプラスチック用プライマーを塗布します。奥のリヤエンブレムはアルミ素材に黒の塗装が施されている為プライマーは必要ありません。

 まずはベースコートの赤を塗り、クリアーを塗布します。作業自体は本塗りと変わりませんが、この段階では下塗りとなります。

 熱を掛けて塗膜を完全硬化させた後、再び全体に足付け処理を行います。

足付け処理では塗膜の表面を削る事となりますが、クリアーがコートされているので赤が剥げる事はありません。

 再び脱脂清掃をして台にセットしたら本塗り開始です。

 まずベースコートの黒を塗り、

 指触乾燥したら表面をシンナーでふき取り、さらにペーパーを掛けます。

天面の黒が綺麗に除去出来たらタッククロス(粘着物質の着いた不織布)を使ってホコリを綺麗に除去し、さらにエアーブローを行います。

 最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

その後再び60℃40分程の熱を掛けて数日寝かしたら完成となります。

手前の大きい方がリヤ用で、

 小さい方がフロントグリル用の物となります。

作業工程上、塗装回数が2セット分となる為、 費用も通常の場合に比べて倍程度となります(作業の手間は倍以上です)。同じような物が売っていれば買った方が安いと思いますが、「純正部品のクオリティに自分なりのアレンジをプラスしたい!」とお考えの方にはお勧めだと思います。

smart用BRABUSエンブレム塗装 完成

brabus42 こちらもお待たせしました!スマート用のブラバス純正エンブレム×2個、本日完成となります。こちらもまだ梱包はしておりませんが明日には発送可能です。と言うかこれからまだ現場の仕事が残っていまして・・・。

最初の状態も紹介させて頂きますね。ちなみに最近Facebookで海外の方からもPageいいねを頂いていまして、ただそういった方々はこの文章を見ても判りませんからせめて画像だけでも何をやったか(何が変わったか)伝わればと思いますので。

brabus31最初の状態がこちらです。上のエンブレムは黒ベースにシルバーを塗った仕上がりで、下のエンブレムはシルバーベースに艶消し黒を塗った仕上げになっています。

brabus45最初の状態から一旦全部を赤に仕上げ、その後黒に塗って余分なところを削り落としています。さすがにこれをマスキングで塗り分けるのは現実的では無いですからね。

brabus43  大きい方のエンブレム(恐らくリヤ用)は最初に剥がした両面テープを貼り直しておきました。

ちなみに車体への貼り付けを行う場合、エンブレム単体を持って貼ろうとすると平行に揃え難くまたうっかり落としてしまいがちですので、お勧めの方法としては10ミリ~15ミリくらいのマスキングテープを少し長めの30センチくらいにカットし、テープの中央部分に平行にエンブレムを貼り付け、マスキングテープの両端を持ってピンと張りながら「体ごと車体に押し当てるような感じ」でいくと上手く貼れると思います。両手は前方に伸ばしているので車体とエンブレムとの平行を俯瞰して見れるのでズレる可能性も低いです。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

smart用BRABUSエンブレム 本塗り

brabus36 こちらもお待たせしました!スマート用のブラバス純正エンブレムも無事本塗り完了しております。

こちらは先日ロッソコルサ単色でクリアーまで仕上げていまして(=下塗り)、次の工程として黒を塗りますから再度全体を足付け処理します。昨日紹介したBMWのホイールキャップと同様、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンドを使っての作業ですね。これで凹んだ文字の部分にも傷を付けて塗料の密着性を高めます。

brabus37 一旦艶々に塗られたエンブレムは先ほどの作業でこんな感じに艶消しの状態になります。ちなみに先日も紹介した「24時間以内に」再塗装であればこの足付け処理無しでも塗装は食い付きますが(メーカーマニュアルにしっかり記載されています)、ただそうなると今度は「チヂレ」のリスクもあるのでこの辺の判断はケースバイケースですかね。

brabus38 そして全体にベースコートの黒を塗り、しっかり乾燥させたら上面の黒を除去します。この黒の下には下塗りとして塗ったクリアーがあるので力加減に注意すれば素地を露出せずに天面の黒だけを除去出来る、という算段です。

brabus39 こんな感じで天面の黒を除去しました。

ちなみに時々「そんなに内容をオープンにしても大丈夫なの?」みたいな事を言われたりしますが、私的には作業内容を伏せるよりもむしろ出してしまった方が信用度は上がると思いますし、大体この画像を他店に持って行って「同じようにやると幾らで出来ますか?」と聞いても恐らく誰もやりたがらないのでは・・・と思いますし(普通に考えて嫌ですよね)。でも本当はこんな仕事を競り合ってくれるような塗装屋さんが居ると結構嬉しいと思っているのですが・・・。

brabus40 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。こちらはサイズが大きい方ですね。先日素材がアルミとか紹介していますが樹脂の間違いで(失礼しました・・・)、それにアルミっぽいメッキ?が施されていてその上にクリアーが塗られています。

brabus41こちらは小さい方で、実は枠と中央とは別体でそれらを組み合わして一つにした構造になっています。

大きい方のエンブレムは両面テープを剥がしていますのでそちらは完全硬化後に貼り直しておきますね。どうぞもう暫くお待ち下さいませ!

スマート用BRABUSエンブレム 下準備~下塗り

brabus32 こちらもお待たせしております。先日より作業着手していまして現在下塗りまで完了しておりますので御安心下さい。

上の画像は最初の状態で、まずは下地処理として全体にペーパーで傷を付けるなどする足付け処理を行いますが、今回のように形がイビツな物はペーパーでは届かない箇所があるので違う方法での作業が必要となります。素材が金属だったり粗い素地調整でよければサンドブラストが一般的ですが、このまま本塗りを行いたいのでそれだとちょっと激し過ぎるのです。

brabus33 と言う事で前回も採用したウォッシュコンパウンド+ナイロンブラシです。ウォッシュコンパウンドは研磨粒子を含んだ液体で洗浄成分も入っているのでこれで擦れば足付け処理と脱脂洗浄が一度で出来ると言う訳です。

brabus34凹んだ文字部分にウォッシュコンパウンドを付けたブラシを縦横無尽に擦るとこんな感じで細かい傷が付きます。艶が消えているのが判りますよね。元々撥水していた表面も親水性になっています。

brabus35そして再度シリコンオフで脱脂洗浄を行ったらプラスチックプライマーを塗布し続けてベースコートのフェラーリレッド(ロッソコルサ:322)、そしてクリアーを塗って下塗り完了です。ちなみに赤く残るのはエンブレム上面のみで、凹んだ文字の内部や外側側面などは全て黒になります。まさかこの塗り分けをマスキングで行うのは現実的ではありませんので、方法としてはこの後クリアーが完全硬化したら再度足付け処理~全体にベースコートの黒を塗って上面を削り、下にある赤を露出させます。その後またクリアーを塗れば綺麗に塗り分けが出来る、と言う訳ですね。

ちなみに「凹んだ部分に粘度を詰めれば?」とか「液体マスキングは?」と思うかも知れませんが、それでは全く綺麗には仕上がりませんから、通常職業として塗装を行っている方は普通そういう事はしません。イメージと現実は違うのです(苦笑)。

ただこの塗装を今後量産すると言う事であれば、凹み文字部分にピッタリ嵌る型を作る事は可能です。離型剤を塗って樹脂を流し込み、表面の出面を削って面を合わせれば脱着可能なマスキング用の型が出来上がります。ただかなりコストは掛かるので、最初の方が人柱となるか、或いは50個くらい受注が入ったら消化出来るかも知れません。まあどちらもあり得ませんよね(笑)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。下塗りのクリアーはしっかり硬化させたいので次の本塗りまでは少し時間を掛けると思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

スマート用ブラバスエンブレム 塗装承ってます

brabus31先日無事到着しておりましたスマート用ブラバスのエンブレム×2個です。この度のご依頼、誠に有り難う御座います!

こちらの製品は以前何回か施工例がありまして、今回もその時と同様「赤と黒」での塗り分けで承っています。ちなみに赤はフェラーリのロッソコルサ(カラーコード:322)となります。

以前の完成画像を紹介させて頂きますね。

brabus28こちらがそうで、一緒に写っているグレー色の物はナビのモニターパネルですからエンブレムのサイズが比較的小さいのが判ると思います。

ちなみに塗り分けの方法としてはマスキングでは無く、塗装を二回に分けて行い「除去する」と言う方法で行っています。工程としては

・下地処理
・ベースコートの赤を塗ってクリアーを塗装
・完全硬化
・足付け処理
・ベースコートの黒を塗装
・自然乾燥
・凸面を研磨→赤い部分を露出
・クリアーを塗装
・完全硬化

となります。凸面の黒を除去する時は研磨だけでは無くシンナーでの拭き取りも併用しますが、それだけだとシャープな塗り分けにならないので研磨が必要です。ちなみに赤の上には完全硬化したクリアー塗膜があるのでシンナーを使ってもペーパーを掛けても赤には影響がありません(当然加減は必用ですが)。

と言う事で作業方法自体は難しくは無いのですが、重要なのは細部の仕上がりを如何に「純正市販品レベル」に出来るかどうかというところでして、私的な理想としては「人の手でこんな事出来るの?!」と言う仕上がりに出来ればと思っています。

ちなみに現在別件で御依頼頂いているBMWのホイールキャップはエッジがシャープでは無いのでこの方法は使えませんからあちらは全てマスキングで対応します。こちらは塗装が二回分なので時間が掛かる、BMWの方はマスキングに時間が掛かると、大変さはどっちもどっちです(笑)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有り難う御座います!