画像のようなメッキエンブレムを塗装する場合、普通に塗っても塗料は密着しませんので剥がれてしまいます。ABS樹脂の表面に施された装飾クロムメッキは耐食性に優れ、リン酸などによる化成処理の効果が低いのです。

かといってサンドブラスト処理を行うとABS樹脂とメッキ層とで層間剥離を起こし、取り返しのつかない事態になってしまいます。

 それらを踏まえ、当店ではメッキ素地用の下地処理を行う事で、塗料の密着性が著しく悪い装飾クロムメッキでも通常の塗膜同様の密着性を保持する事が出来ています。塗装不可能と言われたポリエチレン樹脂への塗装も早い段階で対応していました（ただそちらはとてつも無く大変で金額も嵩み、お問合せを頂いてもご依頼に到る事は稀なので現在は内容を紹介しておりません）。

一般的にメッキ部品への塗装は「密着剤」といったスプレー糊のような物を使って塗られていますが、最初は大丈夫でも経年でその効果が薄れ、いずれ塗膜はペリペリと剥がれてしまいます。尚、当店ではメッキエンブレムへの塗装に密着剤の類は使用しておりません。

 本塗りの際にはエンブレムを一つずつ分けた状態で塗装します。また被塗物の固定方法を工夫し、スプレー塗装ではアクセスし難い奥まった部分もしっかり塗れるようにしています。

 元々貼ってあった台紙の元の位置に戻します。

 塗膜は下地を含め４層で構成されています。

近くに寄ってまじまじ見ても細部まで艶々で、まるでガラスのような美しい塗膜を感じられると思います。

BMW関連のご依頼品が結構多いので、いずれそれだけを集めたサイトを作ろうと思っています。