木型自体は先日既に出来上がっていて、今日はこちらの鋳造作業を行いました。
まずは型に離型剤を塗っておきます。これをしないとMDFから溶け出た接着剤が鋳込んだ金属にくっ付いて剥がれ難いんですよね(と言うのが私的見解です)。
使用する金属はピューターで、この金属は融点が280℃くらいと比較的低いので家庭用のカセットコンロでも簡単に溶かせます。難点は少し高いと言うところですかね(アルミの50倍くらいでしょうか・・・)。
5分くらいで完全に溶けて、非接触温度計で測ってみると330℃になっていました。
ぴゅーたーを溶かしていると表面に酸化した煤みたいなのが浮かんでくるので、それらは割り箸やらスプーンで除去しておきます。「そんな器用な事が出来るのか!」って感じですが、ピューターの方は比重が重いので比較的簡単に煤だけを取り除く事が出来ます。
溶けた金属を木型に注いだら用意しておいた蓋を押し込みます。今までの経験上では注いだままの方が綺麗に仕上がると思うのですが、文字以外の部分は削らないといけないので極力余分を無くしておきたいんですよね。
貼ってあった底板を剥がすとこんな感じです。ただ、「a」の部分でちょっと巣が出来てしまっているのが判るでしょうか。
裏側はこんな感じで、蓋をしっかり押し込んだのが奥の物で、少し浮かしておいたのが手前側です。液体は固体になると面積が減りますから(水は逆ですが)、 その分を考えて少し浮かしておいた方が良さそうですね。
文字の周りの木枠は外さないままにして、その後は工場二階にある簡易フライスで切削します。ボール盤にクロスバイスを取り付けてエンドミルを装着した物です。
木枠を万力で固定して、土台のX軸とY軸をハンドルで回すことによって表面をサクサク削っていきます。これは楽しいですよ。
実はよく見てみると「a」の穴の部分がやはり鋳込み足りていなくて、上の使わない方の右側のaは凄く上手くいっているのですが、それ以外の3個はどれも少し足りていない状態です。
これ以上削っても意味が無いのでとりあえず今回は失敗として、次回はあそこに何かしら逃げとなる湯道を作ってあげようと思います。うーん、次こそは!