今回はこちらのNBロードスターヘッドカバーのMAZDAの凹み文字を埋め、さらにそれをそのまま凸文字に!と言う作業を仕事でご依頼を承っていまして、文字を埋める作業はいつも通りの仕事と言う事で日記の方で紹介していますが、凸文字の製作に関しては一応専門外と言う事でこちらの社外記で紹介します。
尚、これらの事はあくまでも塗装の付帯作業と言うことで、通常こういった作業は単体でお受付していません。ただいつかはこういう事を通常業務の半分くらいかそれ以上まで持って行きたいと思っていて、まだ採算は合わないところがありますから今の内にやっておこう!と言う事です。塗装屋の寿命は本当に短いんですよ(自分では気付かないと言うのが怖いのです)。
と言う事でまずはロゴのデータ化からです。いつものようにコピー用紙と色鉛筆の芯で石刷ります。
ちなみに今回のご依頼は結晶塗装ですから、凸文字を作る上で必要な事としては、
「最低180℃程度までの熱に耐えられる事」
「塗装後に面研して素地の金属を露出させて光らせる」
の二つです。普通の立体成型で良ければ以前行ったエッティンガーホイール用のベンツ純正風センターキャップのように樹脂(レジン)で成型すれば良いのですが、耐熱性は良いとしても削って金属は出てきてくれませんから素材自体を金属にする必要があるのです。
石刷りしたロゴをスキャナーで読み込み、Illustratorでベクトルデータを作成します。この辺はマスキングシート(またはカッティングシール)を作るのと同じですね。
それを今度はレーザー加工機でカットします。切っているのは6ミリ厚のMDF板で、100円ショップで売っている物です。
ちなみにレーザー加工機も仕事で使う物では無く趣味の物なので、これ単体での仕事のお受付はしていません。ただ「こういった事がしてみたい」と言う事があれば、以前行ったようなカッティングプロッターでは不可能な細かいカットといったようなご協力は出来るかも知れません。
凸文字の鋳造については既に前回ロータスの樹脂性エンジンカバーに取り付ける凸文字で施工済みで、オーナー様からはその後の経過も全く問題無いとのお墨付きを頂いているので実は安泰だったりします。
ただ改良の余地はまだまだあって、しかもこういうのは本番でやらないと身に付かないので練習だけしていても余り意味が無いのです。むしろ今の内に失敗を沢山しておきたいんですよね(歳を取ってからだと堪えるので・・・)。
と言う訳で切り出した木片を接着剤で固定します。そんなにしっかり付けず、仮止めくらいで大丈夫です。
上にある板は蓋で、注ぎ込んだ金属の余分をこれで溢れ出させよう!と言う作戦です(分厚いと後で削るのが面倒なんですよ)。
念のため2個作っておきました。それぞれ少しやり方を変えて様子を見てみたいです。
切り抜いた文字の方は必要無いですし、そもそもデータは雌型の方を活かすように作ってあるのでこちらのロゴは細身で使い物にはなりません。レーザーはカットする部分を焼き切って消失させてしまうので、カットするのが紙のように薄い物ならまだしも、ここまでの厚みの物となると「どちらも」と言う訳には行かないのです。これはアクリル板を切る時も同様ですね。
既に本日鋳込みも済んでいますので(今日は一応定休日だったので!)、そちらも後ほど紹介したいと思います。明日はちょっと用事があるので今日はこれから納品です(雨降るとか言ってましたが自転車で大丈夫でしょうか・・・)。