レガシィ内装パネル 艶消し黒 部分塗装

legacy21 先日本塗りを終えていたレガシィの内装パーツの内の4点を部分的に艶消し黒で塗装します。

「折角綺麗に塗れているのにそのままで良いじゃん」と思えそうですが、単色ベタ塗りのままだとどうしてもクドく感じられる場合がある事と、今回はセンターパネルのエアコン吹き出し口のフィンは塗装していないので、その箇所と質感を合わせて統一させる為でもある訳ですね。言葉で説明するのは難しいので詳しくは完成した時の画像を良く見て頂ければ判ると思います。

legacy22 当初はこれらの部分は「塗装せずにマスキングで残す」と言うご要望でもあったのですが、サイドのエアコン噴出し口は元々艶消し黒に塗られていたので今回はそちらに合わせて塗装し直す事で対応しています。

塗装屋さんなら判ると思いますがこの逆アールでのマスキングはちょっと面倒ですよね。フチは2mmのラインテープを使っています。

legacy23 そして艶消し黒も本塗り完了です。ブツ切りマスキングなので塗装直後すぐにマスキングは剥がしています。塗料が乾いてから剥がそうとすると見切りラインがガタガタになってしまうんですよね。塗料がまだウェットな状態でマスキングを剥がしてシャープなラインになるようにします。

legacy24こちらも無事完了です。

ちなみにこういった細かく複雑な形をしている場合は、通常のスプレーガンでは奥に入る前に手前側が塗り過ぎになってしまうので、その場合は口径の小さなガンを使ったりします。

今回の艶消し黒ではこれらの部品だけなので最初から口径の小さなガンで問題ありませんが、これの前の段階で行っている「艶有り黒」の本塗り時には小さなガンだけではどうしても事足りないので、その場合は予め二種類のガンを用意しておいたりします。

iwata左のガンがいつも使っているIWATAの低圧ガンで口径は1.3ミリです。これが出た当初業界では「使えないガン」として有名でしたが(私的見解です)、ただ小物塗装になってからはこれが結構重宝しています。新車肌の再現性をするにはちょっとコントロール性が良く無いのですが(これも私的見解です)、小物塗装で、特にテールランプのような「肌が無い程の塗り肌」にするには低圧ガン特有の「被塗面に到達するまでの溶剤揮発率が非常に少ない」と言う事による比較的長いレべリング性が丁度良いのです。反面、タレ易いと言うデメリットも当然ありますけどね。

右のガンはやはりIWATAの低圧ガンで、これの口径は1.0になります。確かボディは一緒でも口径は0.8など違うサイズに変えられますよね。このガンは低圧ガン特有の変な癖がないので意識しなくても普通に使い易く、上で紹介したような細かい部分の塗装に向いています。ただしこれも当然ですが「肌が荒れやすい」と言うデメリットもあるので、これでテールランプを塗ろうとしてもツルンとした肌には仕上げ難いです。パサついてしまうんですよね。まあそれぞれの場面によって使い分けが必要という事です。

ちなみに塗りっぱなしで「鏡面仕上げ」と言う表現は塗装屋的に余り使いません。「鏡」と言うと完全に歪みの無いフラットな面ですから、塗装だけであの仕上がりは出来ないのは塗装屋ならば判っている筈ですので。
塗装をしない人間がそう表現するのは勿論構わないのですが、塗装を知っている側がそういった表現をするのはちょっと・・・ですかね。

いよいよ完成間近です。早ければ今週中には出来上がりそうですが組み付けもありますからもしかしたら来週になりますかね。もう少々御待ち下さいませ!