レンジローバーホイール 下準備

range19 ちょっと紹介が遅れていましたが無事本塗り完了しておりますので御安心下さい。実はこちらのホイールは数日に渡って作業していたのですが、ちょっと順番が複雑だったので作業を優先させて頂きました。順を追って紹介させて頂きますね。

上の画像はリムのガリ傷を修整しているところです。今回は「ホイール旧塗膜の総剥離」と言う事があったので、サンドブラスト専門店から戻ってきた無垢のアルミは極力早めにプライマーを塗りたかったのです。酸素に触れていればその分酸化(腐食)が進行してしまいますので。

と言う事でガリ傷は残したまま全体の防錆処理~裏吹きまでの作業を進めていまして、最後の方になってホイール表面の作業に戻ります。ガリ傷の箇所は研磨~パテ処理~研磨で平滑にしたら再度サフェーサーを塗ります。

range20 で、後日そのサフェーサーが完全硬化したら空研ぎ#320~水研ぎ#800まで仕上げます。全体を清掃したらマスキングをしていよいよ本塗り開始です。と言ってもこれも実は数日に分けました。今回はマスキングが大変過ぎるのです。

range21 そしていよいよ本塗りです。が、実際にはこの時点では比較的リラックスした作業で、この時点ではアーデングリーンの部分を塗る作業のみです。いつものように4本並べてセットしている訳では無く、一本一本仕上げていきます。ちなみにまず最初には研ぎ過ぎてアルミ素地が露出した箇所を一つ一つプライマーで拾っていきます。

range22 注意する事は肌を荒らさない事で、ベースコートの肌が荒れればそのまま最後まで影響されますし(艶が引けます)、ボカした部分がミストっぽくなればやはりその後に塗るシルバーの肌も荒れるので取り返しが付かなくなります。特にこの色であれば吹きムラ(メタル粒子が不揃いになって現れるムラ)は起きないので、エアー圧を落としてガン距離を近くして極力ウェットコートになるようにします。

range23 そしていよいよ今回の肝である2トーンカラーのマスキングです。この時まで何度も頭の中で作業イメージを繰り返して来まして、大変なのは覚悟していますがようやく呪縛から解き放たれ事にもなりますので(何度も夢に出てきました・・・)気合が入ります。

range24 今回の為にiPadの購入を決めたのですが残念ながら間に合いませんでした・・・。まあ今回は長期戦ですからむしろノートパソコンの方が画面が大きくてよかったかも知れませんけどね。

range28パソコンモニターをブース内に持ち込んで確認したかったのはこの2トーンカラーのラインです。今回の塗り分けの仕方はちょっと異常というか普通ではあり得無いようなライン位置で色分けが成されていて、通常であれば「プレスライン」に沿って色分けをするのが2トーンカラーの基本中の基本な筈なのですが今回は全く違います。純正の塗装でこんな事は通常有り得無いのですが・・・。

ただ今回のご依頼は「極力元の通りに」と言うなので、古い塗膜を剥離する前には色々な角度から撮影し、さらにメモ書き、そして実際にラインをトレースしてマスキングをして感覚を覚えておきました(上の画像がまさにその作業風景です)。

 

と言う事で次はマスキング作業に続きます。ちょっと画像が多くて重くなるので分けて紹介していきますね。後日になったらすいません(紹介しきれるかどうか・・・)。