先日無事到着しておりましたメルセデスベンツW124のヘッドカバーとプラグカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!
御依頼内容としては、ベースを結晶塗装を「濃い赤」(ドス黒い赤)で御依頼承っておりまして、プラグカバー中央辺りには現在オリジナルで凸文字のプレートを作成進行中との事です。我慢出来なかったらしく先にこのヘッドカバーだけ到着しました(笑)。まあそうですよね、色々と企画していると楽しくなり過ぎて先に体が動いてしまうのは良く判ります(私もいつもそうですので・・・)。
ちなみに御要望頂いている色味は以下の通りです。こちらは去年に御依頼頂いた時の画像で、左側が今回ご所望頂いた「ドス黒い赤」で、右側はフェラーリに採用しているイタリアンなレッドです。フェラーリのタペットカバーはここでは余り紹介していませんが実は業者さんからの御依頼は多いのでもしかして数は一番塗っているかも知れません。何しろこの6気筒カバーが二枚で1セットですから数は多いんですよ・・・(しかもサージタンクやらインマニやらでとにかく数が・・・)。
ちなみに今回御依頼にあたって最初に御相談を受けたことがちょっと印象深かったので紹介させて頂きますね。
「一つ、お尋ねしたいことが有ります。それは通常塗装と結晶塗装では耐久性に違いが有りますでしょうか?何せ熱のこもりが激しいエンジンルームでして(他車は良く存じませんが)・・。実は現行のモノは今まで2度ほど塗装をしておりますが熱による剥離が激しく、色々net検索し今回のお願いに至った次第です。」
との事です。これについては人によって(勿論「塗装を仕事にしている人間」によっても)色々と見解があると思いますが、私的な見解としてはエンジンのヘッドカバー程度の熱で剥がれる云々は上塗り塗料とは全く別の次元での話しです。
多くの場合は「ヘッドカバーは焼き付け塗料でなければ駄目」なんて事を聞きますし、やはりネット上ではそんな事が普通にアドバイスされていたりしますが、そもそも新車時に塗られている塗料は確実に焼き付け型塗料(メラミン樹脂系ですかね)なのに無残に剥がれてしまっています。ちなみに「耐熱塗料」と「焼き付け型塗料」は違います。前者は余程の場合(マフラーなど)でなければ使わないかと・・・(勿論ヘッドカバーも違います)。
それでも「焼付け型じゃないと」と拘る方は、恐らく新車時の塗装がそれだからそうした方が良いと思っているのかも知れませんが、新車時でそれを使うメリットとしてはトータルコストが安いからだと思います。2液ウレタンのように可使時間が決められている分けではありませんから時間が経っても勝手に固まる事は無いので一度セットしてしまえば塗装機器の洗浄の手間などは2液型に比べて断然楽だと思います(と言うより有り得ないですよね)。ライン塗装のような大量生産品であればコスト面を考えると1液型での塗装が基本になるのだと思います(と職業訓練校で習いました)。ちなみに1液型は焼き付け塗装以外にもUV硬化型、ラッカーなども含まれます。UV硬化型塗料は最近だとマニュキアのトップコートなどに使われる事でメジャーになりましたよね。
ただそういった下地作業は完成してしまうとどうしてもユーザーからは見えなくなってしまい、結局後になって泣き寝入りという事が多い気がしますので(私がいつもそうでして・・・)、だったらという事でこういった場を設けさせて頂いています。
と言っても半分は私のストレス発散みたいなところもありまして(苦笑)、やってもいないのにお金を払わされている(払わしている)と言う事がどうも好きになれなく、またちゃんとやっているにも関わらず報われない方々(ここでは全国の塗装屋さんの事に限りますが)のせめてもの応援になれば、といった所ですかね。
塗装のような仕事は下請け的な内容意が多いですから、世に出る訳でも無いのに真面目にやっている人間が多い業界でもあると思いますので・・・。
長々となってすいません。それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!
御紹介していない案件も山積みですので(恐)準を追って紹介したいと思います。