JAMISカーボンフレーム 下地処理

jamis3 こちらもお待たせしております。JAMISのカーボンフレームも作業着手しておりますので御安心下さい。

このフレームは各ワイヤーがフレーム内部を通る構造になっているらしく、次の組みつけの時の為にガイド用としてワイヤーが残してあります。これはカットも塗装しても構わないとの事なので、予め位置が判る印を付けておいて一旦フレーム内部に仕舞ってしまう事にしました。塗装後には簡単に取り出せるようになっていますので御安心下さい。

jamis4 今回はベージュへの色替えでご依頼頂いていますので、旧塗膜を完全に除去すると言うよりは平滑にする為の作業となります。と言ってもやはりアルミやクロモリに比べると大変ではありますけどね。まずはデカール段差部分を#120ダブルアクションサンダーで削り落とします。

ちなみにこういったフレームを「カーボン素地を活かしたにクリアー仕上げで」といったご依頼になるとこの下地処理は非常に大変な作業になります。と言うのもこの場合は旧塗膜を完全に除去する必要があり、ちょっとでもそれを残すと塗り直しになってしまう程シビアな作業になるからです。また当然サフェーサーなどの下地塗料も使えないので、ペーパー目はかなりきっちり管理して最終番手まで綺麗に揃えなければならないのでこれも大変です。

以前これを行った例としては自転車では無く自動車の外板パネルで、形状は平面的でしたがそれでもやはり非常に時間が掛かりました(勿論費用も)。今年始めに納めたアウディR8のカーボンパネルですね。まだ一年も経っていなかったのですか・・・。

jamis5 その後全体的に#180→#240でペーパー目を均し、機械工具(エアーツール)が入らない箇所はひたすら手研ぎで平滑にします。

jamis6 そして綺麗に脱脂洗浄をしたらサフェーサーを塗布します。ボトムブラケットの箇所は打ち込まれたタイプ?なのでここはブツ切りのマスキングで対応していますから、サフェーサー塗布後それが固まる前にマスキングを剥がしておきます。

この後時間を置いてから60℃40分以上の熱を掛けて完全硬化させます。

jamis8サフェーサーを硬化させている間にと言う訳では無いのですが、本塗りの前には色も作成しておかなければならないので手が空いた時に作業しておきます。

jamis7 白系ソリッドカラーであれば使う色はある程度決まっていて、今回の場合は5色程度を使っています。面白い所では「グリーン」を入れているところですかね。白の場合で「色を濃くしたい」と思った場合はわざとイエロー、赤を入れ過ぎるようにしてからそれをグリーンで消す(実際は「殺す」と表現しますが)ようにしたりするのです。単に黒を入れるのではなく敢えて濁らせる感じですかね。この辺が白系の調色で難しい所なのです。私的には一番簡単であって実は一番難しい色だと思っていますので。

それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!