JAMISカーボンフレーム塗装 その後

jamis3今年の夏くらいに塗装してお納めしたJAMISのカーボンフレームのオーナー様よりその後の画像と御報告を頂きました。わざわざお手数を頂き有難う御座います!

上の画像は組み終わった直後の状態でしょうか。画像はオーナー様の御自宅?の屋根裏で趣味の部屋になっているようです。ここに数台の自転車が隠されている(笑)んですよ。

jamis4で、こちらがその後の使用状況です。自転車に余り詳しく無い私が見る限りではロードバイク(舗装路を走る自転車)に見えるのですが、本当にこんな使い方をして大丈夫なのでしょうか・・・。と言うよりオーナー様から御説明頂いてますのでそちらをそのまま紹介させていただきますね(手抜きですいません。笑)。

「ご無沙汰しております。以前JAMISカーボン自転車フレームの塗装を依頼しました○○と申します。報告が遅くなってしまいましたが塗装していただいた自転車は順調に活躍してることを報告します。

依頼前に少し説明しましたが今回の依頼品は「シクロクロス」という競技に使用する自転車で簡単に競技を説明すると未舗装路を走る周回レースといったところでしょうか。画像のとおりものすごく汚れます。乗ってる人間も泥だらけになります。既に4,5戦ほど走っていますので一応今後のために塗装の状態の報告を。
はっきりいって塗装は完璧です。こんな状態になっても塗装剥げはなくブラシで水洗いしても傷つくことなくとても丈夫(?)な塗装で大変満足しております。自転車のカーボン塗装は巷ではかなり難しいという認識があり、かなり不安要素はありましたがプロフィット様の熟練されたテクニックとオープンソースな作業でその不安要素は抹消されました。
ちょっと堅い文章になってしまいましたが「最高の塗装!!!」と言いたいしだいです。
このたびは本当にありがとうございました。
今は工場移転のほうでお忙しいかとおもいますがまた正式に作業再開しましたらまた塗装依頼させていただきたいです。それではお体にお気をつけてがんばってください!!
P.S 無地の自転車が珍しいせいか、どこで塗装したかよく聞かれてましたがプロフィット様を紹介したところ「カーボン塗装はそこ一択らしいよね!しかもクオリティも高いそうだし」と噂になってるようでした。なかなかの有名店で恐れ入りました!
それでは失礼します!!(写真は自分で撮ったやつなので是非どこかで使ってください!)」
・・・との事です。いやいや噂になっているのは極一部のマニアの方のみかと(笑)。オープンソースはそうですまさに私が目指しているものですがこれをやるといつまで経っても利益が出ないのがネックでもあるのでして・・・(苦笑)。

jamis5しかしこんな泥まみれになっても稼動部とかは大丈夫なんですね。結構ビックリしました。

ちなみに上記文面で「ブラシで水洗いしても傷つくことなく」とありますが、出来ればソフトなブラシを使って頂ければと(笑)。目には見えない傷でもそれが増えると反射率が下がって塗装の「深み」が損なわれがちです。ただ白やシルバーなど明度の高い色であればそれも目立ちませんのでこういう乗り方(使い方)をされるのであれば丁度良かったのかも知れませんね。黒とかだとそういった洗車傷も非常に目立ってしまいますので(故に黒の管理は大変です・・・)。

いやはやわざわざ御報告有難う御座いました。ちょっと工場移転作業で精神的も体力的にもやられ気味でしたが、お陰様でかなりモティベーション上がった次第で御座います。

本日は遂に塗装ブースが完成しましたので(今後調整はありますが)手が空いたら社外記の方で紹介したいと思います。いやー、何とか一番必要な所は間に合いそうで御座います。

 

JAMISカーボンフレーム塗装 完成

jamis大変お待たせしました!ちょっと派手だったJAMISのカーボンフレームはベージュホワイトになって無事完成となります。かなりシンプルになりましたよね。

jamis2今回はクリアーの下には色々デカールが張ってありましたからそれを平滑にさせる為に「研磨→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理を施しています。

ただしカーボン地を綺麗に残す「クリアー仕上げ」と言う訳では無いので旧塗膜は完全に除去している訳ではなく、主に「平滑に仕上げる為」といった内容に留まっています。これならばカーボン素材の旧塗膜剥離でも比較的安い方で収まっていますが、それでも下地処理費だけで2万円半ばは掛かっているのです。勿論上塗り(色)の費用は別に掛かってます。デカールを除去して平滑にするだけでも結構面倒なんですよね。

jamis1
各穴から出ているワイヤーはこの後元に戻して(出して)おきましたので御安心下さい。
それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度も御贔屓頂き有難う御座いました!

JAMISカーボンフレーム 本塗り

jamis9 お待たせしました!JAMISのカーボンフレームは無事本塗り完了しておりますので御安心下さい。

jamis19 ちなみにここまでの工程としては「研磨→2液ウレタンサフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理によりデカールで凸凹だった下地を平滑にしています。ラインも滑らかに修整出来ている筈ですかね。

ちなみにサフェーサーを研ぐ作業では、ポップナットのような突起した箇所は研磨している内にサフェーサーを突き破って素地が露出してしまうので、こういった箇所には本塗りの前にスポット的にプライマーを塗っておきます。結構忘れがちな事ですが(と言うか見えないふりですか)、アルミ素地に直接色を塗っても剥がれてしまいますので必要な事です(勿論腐食も抑えられませんし)。

jamis20 と言ってもこの時点で派手に塗ると肌を荒らしてしまい「艶引け」の原因にもなってしまうので、こういった場合は口径の小さいガンでスポット的に塗装します。普段使っているのはプライマー用としての0.5mm口径です。

jamis21 ベースカラーのホワイトベージュを塗ったらクリアーを2コート塗って本塗り完了です。

ちなみにこのフレームは「シクロクロス」と言う競技に出る為の車体との事で、毎回泥だらけになるとの事ですからクリアーは耐擦り傷性に優れた「クリスタルクリアー」で承りました。勿論その他の効用としては「耐候性」も良く、何よりも「レベリング性」「耐タレ性能」が抜群に良いので塗装の仕上がりも違います。「タレ難いのに肌が良くのびる」といった一見矛盾したような塗り方が可能になるのです。

jamis22 この時点ではまだクリアー塗りたてなので勿論触れませんし、ホコリが付くとそのままくっ付いてしまいます。

jamis23 塗ってからまだ数分しか経っていないので当然これは「塗りっぱなし」の肌です。

jamis24単色ベタ塗りであれば基本費用の低い【お任せコース】で対応出来ますが、この仕様の場合「磨き処理」は行わないので肌を荒らしてしまうと残念な仕上がりになってしまいますから、結果としては「塗りっぱなしでも十分な美観」といった事が必要となってきます。ただ塗り過ぎれば当然「タレ」が生じる訳なので、実はハイリスクでハイプレッシャーな仕様となっていたりするのです(苦)。が、むしろそのお陰で自分のレベルがある一定の所で維持出来ていると言う事もありますかね。タガが外れるとトンでも無くなってしまいますので(基本的にはかなりいい加減な性格なのです)。

という事で、完成予定としては来週明けを予定しております。

これの次はZ32の内装パーツの塗装、あとそろそろW124のヘッドカバーの剥離作業が終われば本格的に作業始める予定です。諸々もう少々お待ち下さいませ!

 

JAMISカーボンフレーム 下地処理

jamis3 こちらもお待たせしております。JAMISのカーボンフレームも作業着手しておりますので御安心下さい。

このフレームは各ワイヤーがフレーム内部を通る構造になっているらしく、次の組みつけの時の為にガイド用としてワイヤーが残してあります。これはカットも塗装しても構わないとの事なので、予め位置が判る印を付けておいて一旦フレーム内部に仕舞ってしまう事にしました。塗装後には簡単に取り出せるようになっていますので御安心下さい。

jamis4 今回はベージュへの色替えでご依頼頂いていますので、旧塗膜を完全に除去すると言うよりは平滑にする為の作業となります。と言ってもやはりアルミやクロモリに比べると大変ではありますけどね。まずはデカール段差部分を#120ダブルアクションサンダーで削り落とします。

ちなみにこういったフレームを「カーボン素地を活かしたにクリアー仕上げで」といったご依頼になるとこの下地処理は非常に大変な作業になります。と言うのもこの場合は旧塗膜を完全に除去する必要があり、ちょっとでもそれを残すと塗り直しになってしまう程シビアな作業になるからです。また当然サフェーサーなどの下地塗料も使えないので、ペーパー目はかなりきっちり管理して最終番手まで綺麗に揃えなければならないのでこれも大変です。

以前これを行った例としては自転車では無く自動車の外板パネルで、形状は平面的でしたがそれでもやはり非常に時間が掛かりました(勿論費用も)。今年始めに納めたアウディR8のカーボンパネルですね。まだ一年も経っていなかったのですか・・・。

jamis5 その後全体的に#180→#240でペーパー目を均し、機械工具(エアーツール)が入らない箇所はひたすら手研ぎで平滑にします。

jamis6 そして綺麗に脱脂洗浄をしたらサフェーサーを塗布します。ボトムブラケットの箇所は打ち込まれたタイプ?なのでここはブツ切りのマスキングで対応していますから、サフェーサー塗布後それが固まる前にマスキングを剥がしておきます。

この後時間を置いてから60℃40分以上の熱を掛けて完全硬化させます。

jamis8サフェーサーを硬化させている間にと言う訳では無いのですが、本塗りの前には色も作成しておかなければならないので手が空いた時に作業しておきます。

jamis7 白系ソリッドカラーであれば使う色はある程度決まっていて、今回の場合は5色程度を使っています。面白い所では「グリーン」を入れているところですかね。白の場合で「色を濃くしたい」と思った場合はわざとイエロー、赤を入れ過ぎるようにしてからそれをグリーンで消す(実際は「殺す」と表現しますが)ようにしたりするのです。単に黒を入れるのではなく敢えて濁らせる感じですかね。この辺が白系の調色で難しい所なのです。私的には一番簡単であって実は一番難しい色だと思っていますので。

それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

JAMISカーボンフレーム 塗装承ってます

jamis こちらも無事到着しておりますJAMIS?なるメーカーのカーボンフレームです。画像左側に写っているSURLYのフォークは色見本として一緒にお預かりしました。

実はこちらのオーナー様は以前も自転車のフレームとフォークをご依頼頂いた方でして、今回は二回目のご依頼となります。以前のはCINELLIでしたねcinelli昔使っていたディスプレイは明る目の設定になっていた為か今見るとどうも暗く見えてしまいます。

jamis2そして問題の、一緒に送られて来た指示書です。何故かうちのロゴが新しくなっていますが(笑)。しかもラミネート処理が施されていて、これなら水研ぎ作業をしながらでも問題無さそうです(多分しませんが・・・)。と言うかオーナー様、こういった事をされるお仕事をされているのでしょうか?凝っているというレベルを超えている気がしますが・・・(恐)。

という事で、今回のフレームは今回も前回と同様SURLYのホワイトベージュで単色塗り潰しとさせて頂きます。その前に下地処理で既存のデカールの段差を全て除去しなければ・・・なんですよね。これが最も大変な作業ですが、メインは「段差を無くす」事なので旧塗膜を完全に総剥離という訳ではありませんからまだマシです。

実は現在お問い合わせ頂いている案件で、「既存の塗膜を剥がしてカーボン素地にクリアー仕上げにしたい」という御要望の方がいらっしゃるのですが、それはとてつもなく大変な作業です。ちょっとした見落としで旧塗膜(特に黒色のゲル系下地材)を残したままクリアーをコートしてしまうと最初からやり直しです。カーボン素材の場合は全て手作業での剥離となるので恐ろしい程の時間と費用が必要となります。その点では「クリアー仕上げ」と「サフェーサー仕上げ」では雲泥の差があるんですよね。この辺を説明するのは非常に難しいところです(ボったくりと思われるのが本当に嫌ですので・・・)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。この度もご贔屓頂き有難う御座います!