VWビートルミニカー 本塗り

vw こちらも大変お待たせしました!無事本塗り完了しておりますので御安心下さい。フォルクスワーゲンビートルのミニカーですね。

手前ボディは足付け処理が終わった状態で塗装表面の艶が無くなっているのが判ると思います。表面に細かい傷を付けて塗装の密着性を高める為の下地処理です。反対にその他の部品は艶がある状態で、このまま塗っても初期密着性は良いのですが時間が経つと塗装は剥がれてしまいます。塗料は接着剤ではないので当然の事なのですが、本物の車体でもこの足付け処理を行わないまま塗られるようなケースがちょっと昔は多かったのです。それのせいで何度酷い目に遭った事か・・・(総剥離です)。

vw1 今回のようなミニカーは各部品が稼動するので内側にも色を塗っておく事が必要となります。ただし裏側も表同様に仕上げるには一度には塗れなかったりするのでどうしてもコスト高になってしまいます。なので今回は最初に裏側にベースコートのみ塗っておき、その後各部を固定した状態で表側の本塗りに挑みます。勿論裏側も足付け処理をしてよく脱脂をしてからベースコートを塗っておきます。

vw2 そして本塗り準備となります。手を付けてしまえばそんなに時間は掛からないのですが順番待ちと言う事もありますし、初めての作業は事前に色々と想定する時間が欲しかったりもするのです。逆にプレッシャーの高い仕事は何日も夢に出て来るので良い加減早く終わらせた方が精神的には楽な筈なんですけどね。

vw3 今回は何とか(予算内で)裏側にも綺麗にクリアーが入らないかと色々考えていまして、この先に裏側にベースコートを塗ってからクリップで固定する方法にしました。いきなり作業し始めてしまうと気転が働かなく後になって「どうせならああやっておけば良かった」と思うことがあるのであながち待ち時間も悪くは無いんですよ。

仕事である以上余計な時間は掛けられないのですが、逆を言えば同じ時間内なら工夫次第で仕上がりが良く出来ると言う事ですからね。時間を省けるところは省いてその分を他に回すというやり方もありますし。

vw4そして本塗り完了です。色はニュービートル純正色の「サイバーグリーン」となります。一緒にお預かりしたミニカーより色は薄い感じですが実際の車にある色はこの色ですから御安心下さい。

vw5 こちらはボンネットです。モール?が刺さる穴に割り箸を尖らせた物を突き刺して、ヒンジ部分をワニクリップで固定しています。

vw6裏側も比較的綺麗に塗れたと思います。

ちょっと雑談ですが、この色を決めるものは塗料中に入った「顔料」でして、メタリックやパールなどは粒子の大きさによって色は変わって見えます。現状見ているのは実車と比べても同じ色ですが、例えば自分がこのミニカーと同じサイズに縮小したとしたらどんな色に見えるのかとちょっと疑問に思いました。普通に考えれば今と同じ色を見ている筈なのですが、自分が18分の1サイズになったら顔料は「18倍」の大きさになっている筈ですから、この色に使われているパールは「超ラメ状態」になっている筈なのです。となるとこの色とは全く違うように見えている筈なんですよね。うーん、そんな事ってあるのでしょうか・・・。

ちなみに染料は媒体(例えば水)に解けてしまうのでその粒子の大きさは存在しない筈です(分子レベルとかでは無く)。対して「顔料」は媒体の中を漂っているだけなので大きさは残るのです。メタリックのアルミ粉は肉眼でもその大きさは確認出来ますし・・・。

さらに考えると、自分が成長する段階でもサイズは変わる筈ですからもしかして顔料を使用して表現された色は自分が小さい事に見ていた物と今とでは違うのでしょうか。そして歳をとってまたサイズが小さくなるとまた違うように見えるのでしょうか・・・。

といった事を考えながら仕事をしていたら疲れました(爆)。もうちょっとマシな事を考えるべきですね。ただちょっと不思議に思いましたので。

それではこちらも完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!