ホーンリング 素地調整

boss6 こちらもお待たせしております。作業着手しておりますので御安心下さいませ。

こちらはハンドルのホーンボタンを填める土台の部分で、今回はプラスチック素材とアルミ素材の2つと、ウィンカーレバーを御依頼頂いています。上の画像はプラスチック製の方で、元々割れていた物を瞬間接着材で付けていたのですがそのままでは塗れませんので、一旦外してからエポキシ系で再接着します。作業途中の画像はすいません、撮り忘れていました・・・。

瞬間接着材は熱に弱く、塗装の現場では60℃~80℃程度の熱を掛ける事が多いのでこれではとても役に立ちません。知識の無い頃にこれのせいで何度も煮え湯を飲まされて来ましたので今では仕事で使う事は殆どありません。ちなみに「2液性」は面倒なイメージがありますが実は硬化までの時間は非常に短く強度があるのでDIYでも存分に活用する事をお勧めします。後片付けが面倒なところでもありますが、ヘラの変わりに割り箸、定盤の変わりにダンボール片を使えばそのまま捨てれば良いので気軽に使えると思います。

今回の工程としては、工業用ドライヤーで熱して一旦外し(簡単に取れました)、断面を金属製のワイヤーブラシで研磨して清掃~足付け処理、接合部の表面と裏面は角を面取りしてエポキシ樹脂が充填される分を用意しておきます。破片を合わせた時に切れ目にV字の谷が出来るような感じですね。上の画像は接着材が硬化した状態です。

boss7 表面に溢れた部分はペーパーで研磨して、巣穴等がある箇所にはポリパテで処理します。裏側も表面同様に溢れ盛られた状態ですがそっちは強度の確保として削り取らずそのままにしてあります。ステアリングに当たる面は面研して平らにしています。

上の画像の左側がアルミ製の物で、黒いのは塗装では無くアルマイトの着色です。サンドブラストでは無くサンダーでの研磨で、プライマーのみを想定していましたが部分的に窪んだ箇所があったのでこちらもサフェーサーまで塗る事にしました。尚、中央の穴にはホーンが挿さるのでどちらも塗装はしないように承ってます。

boss8ウィンカーレバーは「継ぎ目」をペーパーで均してスムーズにしておきました。このまま上塗り(艶有り黒)を塗る予定でしたがどうせなのでこちらも一応サフェーサーを塗っておくつもりです(本日は時間切れでサフェ塗りは来週になります)。

ちなみにこれが装着される車体は相当古い物と思われ(存じておりません)、プラスチックの素材も最近の物とは違うのが良く判ります。ホーンリングは熱可塑性では無さそうで(熱可塑性=熱で溶ける物)、イメージとしては車内にある灰皿の素材に似ています。妙に堅いくせに切削性が良い感じですかね。

ウィンカーレバーは合わせ目がありましたから熱可塑性の樹脂だと思われ、研いだ粉の匂いがメガネフレームに似ていましたのでもしかしてセルロイドかな?と思いましたが多分アセテートだと思います。ちなみにこれに似たような匂いとしては、古いスチール製の窓のガラスに貼ってある飛散防止の透明フィルムを剥がした時のアレです。って判りませんか(笑)。

それでは進行しましたらまた紹介させて頂きますね。本塗りはまだ先になるかと思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!