タワーバー 本塗り

tower5 こちらも大変お待たせしました!タワーバーも本塗り完了しておりますのでご安心下さい。

こちらを取り付けている車種はちょっと不明なのですが、製品としては貴重な物との事です。一度どこかのショップさんで塗られたらしいのですが、色々あって当店に届く事となりました。

上の画像はサフェーサーが完全硬化した状態で、研ぎ作業をする前に全体に黒いスプレーを塗った状態です。サフェーサーの研ぎ忘れやラインの確認などに行う「ガイドコート」ですね。ちなみにサフェ研ぎ作業自体は先日のアテンザ内装パーツの時と一緒に行っています。

tower6 こちらもやはり平面箇所は少ないので殆どが手作業での研ぎとなります。今回はサフェーサーの下にエポキシ系のプライマーを塗ってあっての重防錆仕様で、ただ膜厚も結構付いていますからサフェーサーのラウンド(肌)もかなり残っていますからしっかり研ぎつける必要があります。これを残すと「ボテっ」とした仕上がりになってしまうんですよね。見た目の雰囲気が悪い塗装は大抵こういった事が原因です。

tower7そしてサフェ研ぎ完了です。綺麗に研げているように見えますが実際は角や溶接ビード部など突起した箇所は素地の金属が露出してしまっているので今度はそこをスポット的にプライマーを塗ります。結果、プライマー(プライマーサフェーサーを含め)は3種類塗っている訳ですが、慣れれば特に手間には感じません。と言うかちゃんとこの費用は頂戴していますし・・・。

tower10 こんな感じで素地の金属が露出した箇所(と露出していると思われる箇所)にプライマーを塗っておきます。また各工程で脱脂作業もしないと意味がありませんので見えない部分でもちょこちょこ手間は掛かっています。ディーラー在籍時はパテを塗る前に脱脂している板金屋さんなんて見た記憶が無いですが最近はどうなんでしょう。私がこの業界に入った当初はまだマニュアル化とか塗料メーカーの講習などが余り浸透していなかったのでその辺りは個人の判断に委ねられていたような気がします(ただし当然皆楽をしたい訳でして・・・私も同罪ですが)。

tower9 そして本塗り完了です。色はトヨタ純正のシルバー(カラーコード:1E7)で御指定承っています。

部品のサイズとしてはまあまあで、形も少しイビツですが自転車のフレームを塗るのと大差はありません。それ故に塗装費自体は恐らく一般的な費用になっています(自転車フレームの料金と殆ど一緒です)。ただし今回は下地からやり直しているので費用はその倍以上になってしまっています。まあ塗るよりも下地作業の方が余程大変で、しかも今回はサンドブラスト専門のショップさんに御願いしているのでどうしようも無いのですが・・・。

tower8今回のトータル費用はオーナー様が考えていた額よりも高くなってしまったようで(大抵はそうだと思います・・・すいません)、ただその後のメールで

「予想より高額だった為に正直迷いましたが、長く使いたい品の為、下地処理込みにて塗装していただきたく思います。」

との事で結局フルコースとなってしまいました(ただ今回は単色ベタ塗りなので【お任せコース】では対応出来ています)。

私的にも「これを塗るのにはちょっとお金が掛かり過ぎるよなぁ・・・」と思う事はしばしばなのですが、一応その理由が判るようにとこういった画像や文章などで出来るだけ中身が伝わるようにはしています。理由も無く大目の費用を頂戴する事はありませんが、逆に理由が無く費用を値下げする事も無いのです。極稀に「どこどこのお店より随分と高いんですけど・・・」といったお言葉も聞かないでは無いですが、他店で行う作業内容は私も判りませんので比較しようが無いのです・・・。何卒ご理解を頂ければ幸いです(勿論今回のオーナー様がそういった事を仰っている訳ではありませんので念の為)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!