タワーバー 下準備

tower16 こちらもお待たせしております。半艶黒で承っておりますタワーバーですね。

製品自体はそんなに古い物では無いのですが(一年くらいとの事です)、長く使いたいとの事で下地からやり直す事にしました。と言うのも上塗り(赤)の下にプライマーが塗っておらず直接鉄に色を塗られているのでして・・・。

tower17 という事で溶剤槽に漬け置きして旧塗膜は綺麗に取れました。下からは綺麗なスチール素地が出てきましたが、ここまで綺麗だと塗装の密着性が・・・。ただ錆びは少なかったのでそれは救いでした。一旦錆びが出てしまうと表面だけでは無く根こそぎ削り落とさなければなりませんので、そうなるともう強力な直圧サンドブラストでの処理が必要になってしまうのです。さらに費用が高く付いてしまいますからね。

tower18 塗装前の素地調整として、表面はダブルアクションサンダー#120で足付け処理をし、ペーパーが入らない箇所はサンドブラストで処理します。直圧タイプでは無いので塗膜ごと一気に剥がすような事には向いていませんが(一日掛かるので余計高くつきます)、こういった足付け処理の際には重宝しています。

tower19 細部はこんな感じで素地調整完了です。表面がツルツルでは塗料も食い付いてくれませんが、こんな感じに素地を荒らすと塗料は密着してくれるのです。

この状態だと砂っぽいので吊るして上からシンナーを拭きかけ洗浄~脱脂処理を行います。

tower20 今回は「錆び難く」という事で重防錆仕様として浸透型のエポキシプライマーを使っています。細部のスプレーし難い箇所は予め筆でプライマーを充填しておきます。

tower21エポキシプライマーもある程度の膜厚は付けられるので(付けて良いので)そのままの仕上げでも良いのですが、ビスフェノールA型のエポキシ特性としては非常に堅固な塗膜になりますからとにかく研ぎ難いのでこの後の作業が大変になってしまいます。なのでこれは2コート程度に抑え、続けて今度はウレタン系のサフェーサーを塗って塗膜の充填&この後の作業性(切削性)を良くするようにします。それぞれの長所と特性を活かした「良い所どり」といった感じですかね。ちなみにエポキシ層を焼ききってしまうとウェットオンウェットでは食いつかなくなりますのでそちらは注意が必要です(塗装屋さん向けのアドバイスです)。

この方法を利用して「エポキシ→ポリエステル→ウレタン」と言う工法も何度か試しましたが、ポリエステル系のスプレーパテは硬化速度が凄い伸び方をするのでこれが原因で「クラック」が生じる事があります。ですので使い方は慎重にどうぞ(普通しませんか。でもこういうのを試してみないと判らない事は多いので)。

プライマー&サフェーサーが完全硬化したらサフェーサーを研ぎ付けその後本塗りになる予定です。今週中には塗れる予定ですのでもう少々お待ちくださいませ!