タワーバー塗装 完成

tower30ちょっとお急ぎだったので先日既に完成~発送していたのですが画像の紹介がまだだったので改めてご案内致しますね。スチール製のタワーバーで、元々赤かった物を半艶の黒で承りました。

上の画像は最初に外しておいた製造メーカーのアルミプレートをリベットで固定しているところです。リベッターを使った事がある方なら判ると思いますが、打った後に勢い余って塗装面を木傷つけてしまう!という事があるので周辺はマスキングしています。板金塗装屋さんなら経験があるかと・・・(辛いですよね・・・)。

tower22そして無事完成です。今度の塗装は既存の塗膜と違ってプライマーもサフェーサーも塗ってあるので簡単に剥がれる、錆びるという事は無いと思います。

tower23装着されると裏側は見えないのですが一応表面と同様に仕上げてあります。まあそれが普通ですよね。

tower24ちなみに既にオーナー様もお手元には届いていて、ご感想も頂いてますのでちょっと紹介させて頂きますね。

「開梱した瞬間声が出ましたよ!^^
仲間からもこのタワーバーめっちゃカッコイイけどどこの??って聞かれました!
本当にお願いして良かったです。ありがとうございました。」

との事です。いやいや、こちらこそ有り難う御座います。今回のご依頼では、既存の塗膜は全て剥がしてサンドブラストからやり直し、錆びに強い浸透型エポキシプライマーも使っての重防錆仕様なので費用も結構な額になりまして、この金額で新しいタワーバーが買えるんじゃ・・・と思いましたが、塗装屋としては下地からやり直せて良かったです。せっかく塗っても下から剥がれたり錆びが出たら残念ですからね。

この度のご依頼、誠に有り難う御座いました!

タワーバー 本塗り

tower25 先日塗っておいたサフェーサーが完全硬化したのでそれを研ぎ、無事本塗りも完了しています。サフェ研ぎが一番大変な作業なのですがそちらの撮影は忘れてました・・・(謝)。

tower26 尖ったエッジや溶接ビードの頂点などはサフェーサーを研いでいる時点で素地が露出してしまう事があるので、その場合は本塗りの前にスポット的にプライマーを塗布します。ちょっと判り難いのですが溶接ビードのところがグレーになっているのが判ると思います。周りに飛ばさないよう口径0.5ミリの小さなガンで塗っています。

tower29今回御依頼頂いているのは「半艶ブラック」で、色を決めるベースコート自体はいつもの通りに黒を塗り、クリアーを半艶専用の物に変えます。既存のクリアーに「艶消し剤」を入れるタイプもありますが色々弊害がありますので(塗装屋さんなら判るかと)最近は最初から練り込まれて出来上がったパッケージの物が主流です。使い方は通常のクリアーと同じく硬化剤を50%入れて使う2液ウレタンタイプです(混合比率はメーカーや製品毎に違います)。ちょっと濁っているのが特徴ですかね。多分ポリカーボネート顔料のせいだと思います(そんな事を聞いた事がありますが定かではありません)。

tower27塗る感じはいつも通りウェットコートですが半艶・艶消しであればそこまで肌を作らなくても良いので60%くらいをイメージして塗ります。艶有りの時は70%~90%ですが流石に90%だと垂れる箇所が出てきますので大抵は80%ですかね。ちなみにテールランプは極力肌を無くしたいので100%の勢いで塗ります。ちなみにこれは膜厚の事ではありません。肌を作る勢いと言うか目標みたいな物です。

tower28半艶・艶消しを綺麗に塗る方法としては「遅めの乾燥(硬化)」という事があって、シンナーや硬化剤の選択を早めにするとムラっぽく仕上がってしまうので極力遅めの設定にするのがセオリーだったりします。また塗り終わったら余計なゴミが付かないようにと早めに熱を入れたいところですがこれもムラの原因となるので十分に艶が消えるまでは自然乾燥でじっくり待ちます。ただこの辺はどうしてもゴミの付かない環境(塗装ブース)が必要で、技術云々では乗り越えられませんから多少のムラは覚悟の上で速乾設定&即強制乾燥といったケースも良く見受けられます。以前知り合いの塗装屋さんが半艶黒仕上げのボンネットを12回(!)も塗り直したと言うのを聞きましたがあの環境じゃ判る気がします。同情しますよ(一時期私も勤めていた工場なので内容は良く知っていまして・・・)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

タワーバー 下準備

tower16 こちらもお待たせしております。半艶黒で承っておりますタワーバーですね。

製品自体はそんなに古い物では無いのですが(一年くらいとの事です)、長く使いたいとの事で下地からやり直す事にしました。と言うのも上塗り(赤)の下にプライマーが塗っておらず直接鉄に色を塗られているのでして・・・。

tower17 という事で溶剤槽に漬け置きして旧塗膜は綺麗に取れました。下からは綺麗なスチール素地が出てきましたが、ここまで綺麗だと塗装の密着性が・・・。ただ錆びは少なかったのでそれは救いでした。一旦錆びが出てしまうと表面だけでは無く根こそぎ削り落とさなければなりませんので、そうなるともう強力な直圧サンドブラストでの処理が必要になってしまうのです。さらに費用が高く付いてしまいますからね。

tower18 塗装前の素地調整として、表面はダブルアクションサンダー#120で足付け処理をし、ペーパーが入らない箇所はサンドブラストで処理します。直圧タイプでは無いので塗膜ごと一気に剥がすような事には向いていませんが(一日掛かるので余計高くつきます)、こういった足付け処理の際には重宝しています。

tower19 細部はこんな感じで素地調整完了です。表面がツルツルでは塗料も食い付いてくれませんが、こんな感じに素地を荒らすと塗料は密着してくれるのです。

この状態だと砂っぽいので吊るして上からシンナーを拭きかけ洗浄~脱脂処理を行います。

tower20 今回は「錆び難く」という事で重防錆仕様として浸透型のエポキシプライマーを使っています。細部のスプレーし難い箇所は予め筆でプライマーを充填しておきます。

tower21エポキシプライマーもある程度の膜厚は付けられるので(付けて良いので)そのままの仕上げでも良いのですが、ビスフェノールA型のエポキシ特性としては非常に堅固な塗膜になりますからとにかく研ぎ難いのでこの後の作業が大変になってしまいます。なのでこれは2コート程度に抑え、続けて今度はウレタン系のサフェーサーを塗って塗膜の充填&この後の作業性(切削性)を良くするようにします。それぞれの長所と特性を活かした「良い所どり」といった感じですかね。ちなみにエポキシ層を焼ききってしまうとウェットオンウェットでは食いつかなくなりますのでそちらは注意が必要です(塗装屋さん向けのアドバイスです)。

この方法を利用して「エポキシ→ポリエステル→ウレタン」と言う工法も何度か試しましたが、ポリエステル系のスプレーパテは硬化速度が凄い伸び方をするのでこれが原因で「クラック」が生じる事があります。ですので使い方は慎重にどうぞ(普通しませんか。でもこういうのを試してみないと判らない事は多いので)。

プライマー&サフェーサーが完全硬化したらサフェーサーを研ぎ付けその後本塗りになる予定です。今週中には塗れる予定ですのでもう少々お待ちくださいませ!

タワーバー塗装承ってます

tower14 先日到着しておりますストラットタワーバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

素材はアルミかと思いきやスチール(鉄)製で、現状の状態としては比較的綺麗なのですが今回は既存の塗膜を全て剥離しての塗り直しで承っております。

tower15製品としてはまだ買ってからそんなに経っていないようなのですが、所々に細かい傷があって、それらを全て処理するとなるとそれなりに金額は上がってしまうので、だったらという事で下地からやり直す事になりました。と言うのも実は理由があって、既製品にはよくありがちですがこの赤い塗膜の下にプライマーは塗られていないのです。傷が付いたところだけでは判断し難いですが、溶接のビード跡の頂点は下地の鉄が透けてしまっていますのではっきり判ります。このまま上に塗装を塗り重ねても今後どうなるか判らないところがありますので、今回はこちらを全て剥離し、さらにプライマーは耐食性の高い塗料を使っての重防錆仕様で下地を造り直す事にします。色は「半艶黒」で承っております。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。この度のご依頼、誠に有難う御座います!