タワーバー 本塗り

tower25 先日塗っておいたサフェーサーが完全硬化したのでそれを研ぎ、無事本塗りも完了しています。サフェ研ぎが一番大変な作業なのですがそちらの撮影は忘れてました・・・(謝)。

tower26 尖ったエッジや溶接ビードの頂点などはサフェーサーを研いでいる時点で素地が露出してしまう事があるので、その場合は本塗りの前にスポット的にプライマーを塗布します。ちょっと判り難いのですが溶接ビードのところがグレーになっているのが判ると思います。周りに飛ばさないよう口径0.5ミリの小さなガンで塗っています。

tower29今回御依頼頂いているのは「半艶ブラック」で、色を決めるベースコート自体はいつもの通りに黒を塗り、クリアーを半艶専用の物に変えます。既存のクリアーに「艶消し剤」を入れるタイプもありますが色々弊害がありますので(塗装屋さんなら判るかと)最近は最初から練り込まれて出来上がったパッケージの物が主流です。使い方は通常のクリアーと同じく硬化剤を50%入れて使う2液ウレタンタイプです(混合比率はメーカーや製品毎に違います)。ちょっと濁っているのが特徴ですかね。多分ポリカーボネート顔料のせいだと思います(そんな事を聞いた事がありますが定かではありません)。

tower27塗る感じはいつも通りウェットコートですが半艶・艶消しであればそこまで肌を作らなくても良いので60%くらいをイメージして塗ります。艶有りの時は70%~90%ですが流石に90%だと垂れる箇所が出てきますので大抵は80%ですかね。ちなみにテールランプは極力肌を無くしたいので100%の勢いで塗ります。ちなみにこれは膜厚の事ではありません。肌を作る勢いと言うか目標みたいな物です。

tower28半艶・艶消しを綺麗に塗る方法としては「遅めの乾燥(硬化)」という事があって、シンナーや硬化剤の選択を早めにするとムラっぽく仕上がってしまうので極力遅めの設定にするのがセオリーだったりします。また塗り終わったら余計なゴミが付かないようにと早めに熱を入れたいところですがこれもムラの原因となるので十分に艶が消えるまでは自然乾燥でじっくり待ちます。ただこの辺はどうしてもゴミの付かない環境(塗装ブース)が必要で、技術云々では乗り越えられませんから多少のムラは覚悟の上で速乾設定&即強制乾燥といったケースも良く見受けられます。以前知り合いの塗装屋さんが半艶黒仕上げのボンネットを12回(!)も塗り直したと言うのを聞きましたがあの環境じゃ判る気がします。同情しますよ(一時期私も勤めていた工場なので内容は良く知っていまして・・・)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!