BMW GSフェーエルタンク&ライトカウル 本塗り①

bmwgs22 大変お待たせしました!BMW GSの樹脂製フェーエルタンクとライトカウル、無事本塗り完了しております。実は昨日から二日に掛けて作業していました。

bmwgs23先日作成した台にセットした状態です。よく脱脂をしたらエアーブローをしてまずはベースカラーの白を塗ります。

通常の車体色に使われる白は何かしら黒やオーカーなどが入って隠蔽性が高めてあるのですが、今回は既に塗装されたフレームの白にタンクの色も合わせるので原色の白としています。ただ原色のままの白は極端に隠蔽性が悪いですから(普通はしません)、膜厚も結構ついてしまうので予めベースコートには硬化剤を数%入れ、まず一日目はこのベースカラーのみの塗装としました。そして翌日に中研ぎをした後もう一度同じ白をコートし(今度は通常通り硬化剤を入れていません)、続きを行います。

bmwgs24 今回の肝はマルボロレッドの塗り分けと「Marlboro」ロゴの配置で、これが相当大変な作業でした。技術的な事であれば手を動かせば作業は進みますが、とにかく位置の割り出しが難しく、事前に何度も練習はしましたが本番になると一旦全部白く塗らなければなりませんから印が全て無くなってしまうのです(序に頭も真っ白に、という事です)。

なのでブース内には事前に書き出したイラストと数値と参考画像を並べ、四苦八苦しながらそれぞれの位置を割り出していきます。ちなみに既に白は塗られていますから被塗面には殆ど触る事が出来ない、と言うのがさらに作業を困難にしてくれます(苦)。

bmwgs25 という事で何とか最初の「Marlboro」の位置が決まりました。そこからマルボロレッドの塗り分けラインを割り出していきます。そして反対側ですね。ここまでで2時間掛かってますが最初のラインが一番大事なのでこれは仕方ないですね。

bmwgs26 そして反対側です。向こう側に引いたラインと対称に引きますが、ここでプレスラインと平行になっているのが判ると思います。多分製造時のラインではこれが起点になっているのでは?と思う次第です。ちなみに今回は参考になるのが画像だけだったのでこういう事は判りませんでした・・・(まあいつもの事です)。

bmwgs27 そして白く残す部分を養生します。ちなみに「M」はフチの部分もマスキングされています。後で判ると思いますのでとりあえず割愛しておきます。

bmwgs28 同じく反対側の「o」もフチ部分をマスキングしてあります。

bmwgs29 そしてマルボロレッドの塗装、そしてロゴの黒も塗装完了です。さらっと言っていますがここまでで多分6時間くらい掛かったかと・・・。マルボロレッドも白同様に隠蔽しない色なので下色から重ねて結構時間が掛っています。またタンクは前方から見た時に内側も少し見えるのでその部分にもレッドが入るよう、且つ後ろから外にはみ出てこないようにマスキングしています。塗装ミストは思った以上に色々なところに回り込むので完全防御しなければなりません。世の中の塗装屋さんは皆これで相当の煮え湯を飲んでいる筈です(笑)。

bmwgs30 そして反対側もマルボロレッドの塗り分け&ロゴの黒が完了です。塗り分けとロゴの重なりで色々なパターンがあるらしいのですが、今回はオーナー様の好みに近づけています。凄く大変で出来ればもう二度と(笑)。

そして最後に「Mみたいなマーク」を入れます。ここも同じマルボロレッドなので一緒に塗れば効率が良いのですが、何度頭の中で本塗りイメージしてもここで失敗してしまうんですよね。本塗りの途中に大変な事態は最も避けなければなりませんのでここは別物と考えて塗装する事にしました。

位置が決まったらガイド用のシールを貼ります。これは輪郭を出したかっただけなので後で剥がしてしまいます。

bmwgs31先ほどのガイド用のシールの周りをマスキングしたらマルボロレッドを塗って完了です。「最初からメス型のシールを貼れば」と思いそうですが、3次元曲線の上にさらにこのプレスラインでは上手く貼れないので、ガイド用のシールを貼ってその周りを直線に修正しながらラインを決めています。なので実際の型よりも少し大きめになっています。「Marlboro」のロゴと水平にしつつ各部もまっすぐになんてこの方法じゃないと出来ないんですよね。まあ実際オリジナルがどうなっているのかは怪しいところですが(笑)。そもそも塗装では無くシールかも知れませんしね。

bmwgs34そして全てのベースコートが完了しました。ちょっと地面(と言うか台全体)が曲がっていますが気にしないでください。

レッドとホワイトの塗りわけは頂点で中心を通るようになっていて、Marlboroのロゴも同じ高さにしてあります。ただし左側の「o」は小文字で、右側の「M」は大文字なので上のラインはそれぞれ違って見えています。単にロゴを左右に配置するならばここまで大変では無いのですが、今回は色分けのラインが絡んで来るので全部の位置が的確じゃないと全体が纏まらないのです。

ただ今回は台をしっかり作っておいたのでこれのお陰でストレスは大きく軽減出来たと思います。ライン引いていて被塗物が動いてしまうのでは疲れてしまいますからね。

クリアー塗装に続きます。ちょっと画像数があって大変なので少し時間掛かると思います。