70スープラ用ガナドールミラー 本塗り

mirror11 先日サフェーサーが塗ってあった70スープラ用のガナドールエアロミラーです。サフェーサーが完全硬化したので研いで平滑にします。

今回の被塗物は平面なラインが殆ど無いので、研ぎの際には当て板は使わずペーパーのコシのみで手研ぎを行います。最初は空研ぎ#320→#400でスピーディーに仕上げます(と言ってもそれなりに時間は掛かりますが・・・)。

mirror15その後は水研ぎ#600→#800で仕上げます。ちなみに#800は新しい耐水ペーパーだと結構傷が深く入るので、その場合は#1000ないし#1200を使ったりしますが、布状の研磨副資材(所謂アシレックスレモンです)が登場してから最後はこれの#800を使うのがスタンダードになっています。同じ#800でも石(研磨粒子)のバラつきやコシの具合が全然違うので後者は非常に安定しているのです。ただ#600の目を消すには少し力弱いので、「水研ぎ#800→アシレックスレモン(#800相当)」と言う組み合わせが良いですかね。お陰で#1000~#1200の出番がかなり減りました。ただし#1500~#2000は磨きで使うので今も現役です。

mirror12 そしてサフェーサーを塗った時と同様に台にセットします。

mirror13 そして本塗り完了です。色はトヨタスープラ純正色のスーパーホワイト(カラーコード:050)で、原色の白に数滴だけ黒が入る「限りなく原色に近い白」になります。ああそう言えば70スープラはこんな感じでしたね。ただ今回の塗装と違うのは、新車時に塗られたボディの塗膜は恐らく「1コートソリッド」で、10年くらい経つと艶が無くなってくると思います。上面は特に紫外線の当たる量が多いですから、洗車の吹き上げで雑巾が滑らずクルクル丸まってしまう筈です(凄く嫌な記憶が・・・)。

ただこれは1コートソリッドに限った話では無く、車の新車に使われている塗料は焼付け型の塗料で、これは補修用塗料に比べて耐候性がありません。赤が色褪せてしまうのはそういう事で、途中何かしらの理由で補修塗装がされていれば使われているのはウレタン系塗料ですからそこは色褪せていない筈です。勿論使われる塗料の性能にもよりますが、新車時の(多分)アクリルメラミン樹脂塗料に比べればウレタン系の塗膜は耐候性は断然良いのです。ちなみに近年は新車・補修どちらの塗装も水性化が進んでいるのでまた違った見解になると思います。

mirror14今回の様に元々塗られていた塗膜にトラブルが発生しているとそれの除去&下地の作り直しといった作業が必要なので塗装屋としては敬遠したい所なのですが(今までも散々やりましたので・・・)、塗り上がって綺麗な状態になるとやはり嬉しい気分になります。仕事としては毎日同じ物を何百個と塗っている方が断然楽ですが(経営的にも)、達成感とかはやはり断然違います。本来仕事である以上そういうのは必要無いかも知れませんが、どうせやるなら少しでも楽しい方良いですからね。反面辛いことも多いですが・・・(苦笑)。

こちらはこの後組み付け作業もありますので完成まではもう少し掛かると思います。取り付けるのはかなり強烈なバネなのでちゃんとクリアーが固まってから作業したいと思います。もう少々御待ちくださいませ!