CORSAIRパソコンケース 本塗り②

corsair68 そしてこちらがちょっと面倒なシャーシ部分です。通常は箱型になっている物ですがリベットを外されてバラバラの状態でやって来ました。元々塗ってあった新品時の塗装の肌が激しいゆず肌だったので一旦全部剥がしてやり直しています。オーナー様自ら自家塗装も試みて少し削った跡がありましたが、こういった形の物をペーパーでネチネチ削るのは大変過ぎますよ・・・。

それにしてもこの塗り分けは中々強烈で、片面であれば問題無いのですが両面同じ位置をとなると結構マスキングが大変です。オーナー様も一度ブルーの部分を塗られていましたが相当苦労したのでは・・・、と思う次第です。

corsair69 ちなみにこの作業は本塗りを始めてから二日目となります。一日目は本塗りの為のセッティングをしてベースコートの黒を塗装、一部の部品のみブルーメタリックを塗ってこれらシャーシのマスキング&塗装はその翌日となっています。しかも予想以上にマスキングに時間が掛かってしまったのでクリアーはさらに後日となっています。

corsair70 私的にどうも不自然に曲がったカーブが好きでは無く(Illustrator使う人なら判りますよね)、今回のようなちょっしたアールも出来る限り機械のカットに頼っています。まさかここでサークルカッターを使う訳にもいきませんが(被塗物に傷が・・)、幸いにして22mmの円にカットした余りのシートがあったので今回はそれを利用しています。

フリーハンドで綺麗なラインを描ける人は尊敬してしまいますが、私の仕事の場合はロボットが機械的に仕上げるような形が理想になるので、同じ塗装でもこの辺はもうまるで違うものだと思います。1000個塗って1000個同じ仕上がりに出来るのが理想形ですが、ただそれを目指すと病気になってしまうかと・・・。

corsair72ちなみにリベットについては別工程で塗っていて、わざわざ一緒に塗るよりもこの方が手間は掛かりませんし、うっかり塗り忘れた!なんて事もこの方が無いと思います(それでも一応何度も見直ししましたが・・・笑)。

corsair71 そしてブルーメタリックを塗ってマスキングを剥がしたらベースコートが完了です。マスキングに要した時間の割りには塗装面積が小さいですが下地作業とはこういう物です(苦)。ちなみにある程度お修正は覚悟していましたが意外にも一度で済みました。よくエアーブローをしたらいよいよクリアーと塗装になります。

ちなみにクリアーは裏表一緒に塗りますから、固定方法としては地面と水平にした状態で台にワイヤーで固定します。フライングカーペットみたいな感じですかね。

corsair74そしてクリアーも完了です。いやはや長い道のりでした・・・。

corsair73 こちらは比較的フラットな形状なので先ほどの物よりもクリアーは塗り易いのですが、フチの内側が巻き込んだ形状になっているので、そこをしっかり塗ろうとすると反対側から浅い角度で狙い打たないといけません。以前ディーラーで一緒に働いていたブラジル人の話によると、故郷で新車を塗っていた時は二人掛かりで左右に分かれて塗っていたらしく、ピラーの裏側などはわざわざ裏に回ったりはせず、反対側の人が遠くからスプレーして塗るらしいです。って言うかその話を聞いた時点で既に自動車ボディの上塗り塗装はロボットが塗るのが当然の時代でしたから、一体いつまで人の手で塗っていたんだ?!って事に驚きましたが・・・。

corsair75クリアーは親の敵並みに塗り込んでいますが、これを垂直に吊るして塗っていたら流石に全部流れてしまうのでこうやって地面に水平にして塗っています。流石にこれを歩リッシャーで磨くのは現実的ではありませんから(飛んでいってしまいます・・・)、塗り上がってそのまま出せるようにとテロテロに仕上げています。車の補修塗装でこうは出来ませんが(新車肌の再現とは程遠いです)、小物の塗装だと「艶が命」みたいなところがありますからこの辺は結構楽しいですかね。表面張力の凄さを実感出来ます(笑)。

あともう少し画像あるのでそちらに続きますね。しかし寒くてキーボードが・・・(一人でエアコンはどうも勿体無くて・・・)。