先日サンドブラストにて全体の足付け処理を済ませておいたプラスチック製(樹脂製)のNCロードスター用のヘッドカバーです。樹脂性のヘッドカバーは何度か前例があるのですがロードスターは今回が初めてです。
樹脂製ヘッドカバーの場合でネックとなるのがこの「凸文字」で、素材がアルミであれば最後に研磨して光らせるとこれが良いアクセントになるのですが、プラスチックの場合は削っても黒くなるだけですからそれがちょっと残念なのです。
が、今回のような方法を行なえば樹脂製のカバーでも凸文字部分に色を付ける事が可能で、また仕上りも純正同様(またはそれ以上)の仕上りに出来るのです。
まずは成形時に出来た凸凹をペーパーと砥石で研磨して平滑にします。
凸文字の周りにプラスチックプライマーを塗布し、白(今回はVWのクールホワイト)を塗ったら一旦熱を掛けて硬化させます。
既存の凸文字からデータを作成して作ったマスキングシートです。画像のは「6」ですね(見れば判りますか・・・)。
既存の凸文字よりもマスキングシートの方が少し大きくなっているのが判ると思います。結晶塗装は特に膜厚を付けるので(超ウェットで5~6コート)、これがピッタリだと表面張力で塗料が溜まってしまい取り返しの付かない事態になるのです(勿論経験済みです)。
これならスプレー方向を横から塗らない限り、凸文字のエッジに塗料は到達しませんから、塗装後にこれを剥がした時に文字が綺麗に仕上がっている、と言う算段です。まあでも実際はそんなに上手く行かないのは皆さん良く判っているので手を出さないんでしょうけどね(私も自信がある訳では無く出来れば避けたいところです)。
そして改めて工場一階に移動し、今度は全体にプラスチックプライマーを塗布したらいよいよ結晶塗装の本塗り開始です。
そして本塗り完了です。ただすいません、凸文字部分のマスキングをどのタイミングで剥がすか考えていたら塗った直後の状態を撮るのをすっかり忘れていたようでして・・・。一緒に塗ったハコスカのL型ヘッドカバーの方はちゃんと撮っているのでそうとう緊張していたのだと思います。
で、凸部のマスキングを剥がすタイミングとしては、一旦熱を入れてチヂレ目がしっかり出た時点で熱を掛けるのを止めて半生の状態でマスキングを全部剥がしました。マスキングシートを貼ったまま最後まで熱を掛けてしまうと糊が残ったり跡が付いたりするので出来るだけ早く剥がしたかったのです(勿論これも経験済みでして・・・)。結果としては見ての通り良い感じに出来上がりました(って白飛びしちゃっているので判り難いですが、現在お預かりしているHEMIのカバーよりは全然出来が良いかと)。
それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!