ハイエース コーナーセンサー 本塗り

 hiace7少し早いのですが、分解が出来ないハイエースのコーナーセンサーは塗装がちょっと難しいと思ったので先に作業をさせて頂く事にしました。そもそも以前行ったコペンのコーナーセンサーも綺麗に出来たのは奇跡的だと思っていましたが、今回のはその時の内容に比べてさらに難航が予想されまして、毎夜うなされるくらいなら先にやってしまうしかない・・・と言う感じです。

hiace9まずは全体の足付け処理を行いますが、外れないリング状のゴム付近にはワックス(恐らくコンパウンド入り)のカスが隙間に残っていたので、ここはいつものウォッシュコンパウンドとナイロンブラシで掃除~足付け処理を行います。

hiace10 丸いリング状のゴムは外す事が出来ないので、ここは前回と同様にマスキングでの対応となりますが、今回はゴムが塗装面とほぼツライチで、且つ変な癖が付いている場所もあって、ゴムの部分だけをマスキングで塗ろうと頭の中でシュミレーションしてもどうしても上手く行かず、結局外側と内側を分けて塗るようにして対応する事にしました。手間は掛かりますがこうでもしないとまともには仕上がらないと思ったんですよね。まあ「まとも」の判断基準も人それぞれなのですが。

という事で外せないゴムの内周と外周の径を測ってデータを作成し、カッティングプロッタで「内側用」と「外側用」それぞれのマスキングシートを作製します。

ちなみに丸い形のデータを複数作っているのは現物にピッタリフィットした物を見つける為で、こういった場合は単にノギスで測っただけでは結構誤差が出来てしまうんですよね。なので最初に測った数値から0.1mm刻みで5~6種類作製し、一番ピッタリ合う物を選んで使えるようにします。

hiace11 という事でまずは外側から塗装です。周りの部分はプラスチック素地剥き出しの状態なのでここはプラスチック用のプライマーを塗装し、続けてベースコートの白を塗ります。

ちなみにマスキングシートはフチが浮いてしまっているのが判りますよね。ゴムにピッタリくっ付かないので少し宙に浮いたような感じになってしまうのです。

hiace12白が完全隠蔽したらマスキングシートを剥がします。見ての通りフチは激しく汚い仕上がりになっていますが、こういった少々無理なマスキング方法で、しかも隠ぺい力の無い白だとどうしても膜厚が付いてしまいますからある程度仕上がりが悪いのは覚悟していました。

ただ勿論このまま先に進む訳では無く、この後ピンセットの先端を使ってバリを削り落とし、余分な部分をタッククロスで除去したりペーパーで均したりして、再度マスキングシートを貼ったら部分的に白を塗って修正していきます。

hiace13 外側が仕上がったら次に内側です。若干テーパー状(円錐)になっているのでマスキングシートはそのままでは貼れず、一部をカットして傾斜を付けています。

hiace14 内側も外側と同じ様にマスキング際は汚くなるので、余分な部分を除去してはピンポイントで塗装と言うのを繰り返していきます。とにかく黒地に白だとちょっとした事でも目立つんですよね。

hiace15 そしてベースコートが終わったらいよいよクリアーです。ここで辻褄合わせじゃ無いのですが、クリアーに関してはゴム部のみをマスキングして内側と外側は一緒に塗ってしまいます。本来であればクリアーも二回に分けたいところですが、さすがに色々やり過ぎるといよいよiPhone6sが買えてしまうような金額になってしまうので(笑)、ここは一度でやりきります。

hiace16 こんな感じでゴム部のみをマスキングしました。コペンのソナーの時はこれで上手くいったのですが、あの時はゴムが若干浮いてくれたお陰なのでマスキングシートを気持ち大きくしての「庇効果」で上手くいきましたが、今回はゴムと塗面がほぼツライチなのでそうもいかないのです。

ちなみにゴム部は前回同様シリコン系のようで、やはりと言うかマスキングの糊はしっかりとはくっ付いてくれません。ただこの後はこれの特性のお陰で助けられる事になるんですけどね。

hiace17艶のある仕上がりにするにはそれなりにクリアーを塗らなければならないのですが、そうなるとゴム部分に貼ってあるマスキングシートがクリアーに埋もれてしまう!(怖)と言うデメリットがあるので、貼ってあったマスキングシートはクリアーを塗った直後には剥がさなければなりません。ただマスキングをした部分にはピンセットを差し込む隙間も無いので、今回はスピナール(画像の超細い針金みたいな工具)を使って上手く剥がす事が出来ました。

本来このスピナールは塗膜に乗った微細なゴミや虫などを取る工具なのでこれでは十分な力が伝わらないのですが、マスキング自体がシリコン系ゴムにちゃんとくっ付いてくれないので簡単に剥がす事が出来たんですよね。

hiace18どうなる事かと思いましたが何とかなってくれました。

hiace19マスキングを剥がす時は狙いを外すと塗膜自体を引っかいてしまうので結構なリスクを負うのですが、上手くいくとこんな感じでマスキングの際も綺麗に仕上がってくれます。胃がひっくり返るくらい緊張しましたが、お陰様で何とか良い感じに仕上がったと思います。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!(いやー、ソナーの塗装は当分大丈夫です。笑)。