BMW X5 M “50d”→”40e”エンブレム 下塗り

bmw498 先日シリコン型からの注型で作ったBMW X5 M 40e用のエンブレムです。全部で4セット用意しました。

「0」の部分についてはオリジナル(純正部品)からの複製となりますが、「4」と「e」については原型をMDFの板から切り出してマスター型を造り、それを複製しています。工程についてはこちらの社外記の方で紹介していますので宜しければどうぞ。

画像は先日塗ったサフェーサーが完全硬化したので、この後全体を研いで形を整えます。黒い点々は研ぎ作業の時の目安となるガイドコートです。

bmw499 大まかなラインは出ているので、サフェ研ぎは#800の水研ぎからスタートし、最後はアシレックスレモン(#800相当のソフトな布状の研磨副資材)でペーパー目を均します。

ちなみにエッジを削るのは最後の最後で、これが自動車の板金塗装だと何故か板金屋さんはあえてこのエッジを残したまま回して来たりするのですが、多分それは「ほら、ちゃんとライン出ているだろ?」って暗に言っていると言うか「俺の仕上がりを見てくれ!」みたいな感じなのだと思います。板金屋さんからすると塗装屋の方が華やかで羨ましいらしいみたいで、って言うか塗装屋的には最後までちゃんと研いでおいてくれよ!って感じなんですけどね(笑)。

bmw517 そして下塗り準備完了です。ちなみに下塗りと言っても今回のは「艶有り黒」の本塗り同様で、むしろ失敗が許されないので普通の本塗りよりも気を遣います。塗装屋さんなら経験あるから判りますよね。とても気分が悪くなります(ストレスで)。

bmw518穴など塗り難い箇所は裏側からもスプレーできるように、設置方法はとにかく隙間を空けるようにして固定しています。

固定方法としては裏側をよく脱脂して丸めたガムテープを食み出さないようにして貼り付け、それを模型塗装用のワニクリップで摘んでブリッジするように固定しています。

bmw591そして下塗り完了です。と言っても塗装内容は通常の黒と同じく「ベースコート(黒)+クリアー」で、気温は低かったですが硬化剤は少し遅め(15-30)にして、シンナー希釈率をいつもより少し高め(15%→20%)にし、「薄膜&肌目の無い仕上がり」になるようにしています。なのでクリアーもレベリング性の高いクリスタルクリアーを使いました。

bmw520今回下塗りとして「艶有り黒」に塗っているのはこの後に塗る「モトクローム」なる塗料の為で、ただこの塗料は著しく密着性が悪い為に(剥がれてしまいます)現在は受付を禁止しているのですが、今回はオーナー様御了承の上でこれを使ってみる事にしました。以前エッティンガーのホイールセンターキャップにベンツマークを作って塗った時とアレと同じ塗装です。

bmw521ちなみにこの後に塗る高輝度シルバーの前には基本的に手を触れる事は出来ず、また脱脂処理も出来ませんから(拭き取ったスジが残るのです)、肌を荒らしたりゴミが付いたりしたらお終いです。勿論回避方法は色々試していて磨き処理も出来ない事は無いのですが、かなりリスキーですし完全ではありませんので基本的には完全硬化させた後も全く触れる事無くそのまま塗装を行います。

と言う訳で塗膜が完全硬化したらいよいよ本塗り開始なのですが、実はそれもすでに終わっています。と言うか前記したように足付け処理は出来ませんから、その代わりにSTANDOXの規定にもある「24時間以内なら足付け処理不要」の方法で密着性を保持すると言う作戦で、この下塗りと本塗りを二日間に渡って作業しています。

それでは本塗りの方もまた改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!