BMW X5 M “50d”→”40e”エンブレム製作&塗装 完成

bmw548 大変お待たせしました!BMW X5のエンブレム、「40e」の製作~塗装は本日完成となります。

bmw478元々はこういった「X5 M 50d」なる純正メッキエンブレムがあるのですが、オーナー様が購入された車体はこれとは違う型のようで、それに貼る為の「40d」のエンブレムを今回新たに作成して塗装を施したと言う事です。

型の製作などについては一応塗装の業務外と言う事もあって社外記の方で紹介しています。宜しければご参照下さいませ。

http://pro-fit.ne.jp/wordpress2013/wordpress/2015/12/08/bmw-x5-m-50d%E2%86%9240e%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%A0-%E8%A3%BD%E4%BD%9C%E2%91%A6%E8%A4%87%E8%A3%BD%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88/

bmw547本物のメッキと比べるとかなり遜色してしまいますが、当初は普通のグレーメタリックで塗ろうとしていたくらいですので、それに比べればまあ何とか見れない事は無いと思います。

と言うか今回使った塗料(モトクローム)をもっと塗り込めばさらにメッキ感を出す事は出来るのですが、そうすると著しく密着性が低下してしまうのでその点を考慮して控えています。ちなみに一緒に塗ったダースベイダーの色見本で密着性のテストをしていますが結果は良好ですのでご安心下さいませ。

bmw549最後の「e」の部分については、オーナー様のご要望によりフチの一部をブルーメタリックで塗装しています。

bmw542両面テープも貼ってありますので、後は位置を合わせて車体に貼ればOKです。先ほど梱包も終えまして、明日ご指定のディーラーさんに宛てに発送予定となります。どうぞもう少々お待ち下さいませ。

この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

BMW X5 M “50d”→”40e”エンブレム 縁の塗装

bmw544 先日本塗りを終えているBMW X5用のエンブレムです。真ん中が元の本物のメッキエンブレムで、それの上段と下段にある「40e」が今回作製した物です。

こうやって見比べて見るとやはりメッキ感は全然ありませんが、まあこの辺が塗装の限界と言うことで御理解頂ければと思います。ちなみにメッキ屋さんに頼めば樹脂素材でもメッキは可能で(通電するサフェーサーを使うみたいですね)、オーナー様にもそれは進言しております。

bmw531 先日手が空いた時に両面テープも作っておきました。今回作製したデータを基に1ミリくらいオフセットしてそれを印刷し、台紙として使います。

bmw532今回は形が単純だったのでレーザーでは無く普通にカッターで切りました。また両面テープをレーザーで切ると側面が炭化してそれの掃除が面倒と言う事もありますしね。

bmw480そして最後の仕上げとして、他のエンブレムにあるような「e」の側面部分を明るいブルーのメタリックで塗装します。上のエンブレムはフェンダーのサイドに着く物でしょうか。

bmw537明るいメタリック感が欲しかったので球形アルミのMIX812をベースに、鮮やかな青みのMIX859、赤味はMIX885で出します。極力色を濁らせないような原色を選ぶ感じですかね。

bmw536簡易的な色の作製ですが(調色とは呼べません)、大体こんな感じで似た色を作ります。

ただメタリックカラーの場合はスプレーして塗るとメタリック粒子が立って明るく見える事になるので、その分を考慮して少し濃いくらいにしておきます。実際に色を見るのであればやはりスプレーガンに入れて色板を作製しなければなりませんので(となると費用が発生してしまうという事です)。

bmw538塗るのは文字の側面部分の一部で、一度にそれらを塗ろうとするとマスキングが面倒なので二回に分けて行います。最初は外周から繋がった部分で、

bmw539その後囲まれた内側の側面を塗装します。

bmw540こんな感じで最後の仕上げが完了です。

後は両面テープを貼ればもう少しで完成です。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

BMW X5 M “50d”→”40e”エンブレム 本塗り完了

bmw529先日本塗りを終えているBMW X5M用の手作りエンブレムですが、昨日紹介した画像だと光が反射し過ぎて判り難かったので改めて紹介いたします。

熱は既に入れましたが一応もう少し寝かしておきたいので、廃熱が出てくるコンプレッサーの上にこの状態で数日置いておき、さらにしっかりと硬化させます。

ちなみに今回はそれぞれの塗り方を多少変えていて、カゴの中で上からA,B,C,Dとそれぞれ判るように仕分けてあります。昨日の画像だと普通のシルバーに見えますが、実物はこんな感じで多少はブラックメッキっぽくなっていますのでご安心下さいませ。

もう少し寝かしたら「e」の側面をブルーに塗る予定です。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

BMW X5 M “50d”→”40e”エンブレム 本塗り

bmw478もう一度最初から紹介しますと、今回のご依頼では上記画像の「50d」の部分を「40d」に変えたい!と言うのがオーナー様の御希望となっています。

bmw527 ただし現状のエンブレムはメッキ仕上げですし、しかも希望されている方は通常のメッキに比べて若干黒味が掛かっています。確かこれは以前当店で施工したスバルレガシィのフロントグリルに施されていたメッキと同じ物と思われます。強く擦ると傷が付きますから、装飾クロムメッキでは無くニッケルメッキまたは硬質メッキでしょうか。

で、上の画像に二つ並んでいる石仮面(の複製品)は以前テストで塗装した物で、上の物に比べて下の方が黒いのが判ると思います(光の加減ではありません)。これは下に艶有り黒を塗装して完全硬化させ、その上に今回使うモトクロームなる塗料を塗りました。尚通常はこちらの塗装はお受け付けしておりませんのでどうぞ御了承下さいませ。

と言う訳で、今回の塗装のイメージとしては、下の石仮面の仕上がりになってくれれば(実際はここまでにはなりませんでしたが)、と言う内容となります。

bmw591こちらが前日に塗っておいた艶有りのブラックで、塗装自体はいつもの内容と変わりありませんから、この後熱を掛けて完全硬化させます。

mini157そして今回使う塗料がこちらのモトクロームなる塗料です。勿論スタンドックスではありません。またこれとセットで「モトクリアー」なる専用のクリアーも使います。

ちなみに今までこれを使って簡単に塗装が剥がれてしまうケースがあって、それの為に使用を辞めていたのですが、大よそその原因についても判って来ました。ただし作業内容によってはそれが避けられなく、結果今後もお受付しないスタイルは変わらないのですが、今回のようなケースでは恐らく大丈夫なので使用います。多分モトクロームの膜厚がネックなのでは無いかと。

bmw522 と言う訳で、今回の塗り方としては「極力モトクロームを薄膜に!」と言う事で、多少のムラやダマについては無視をして、モトクロームの隙間からスタンドックスのクリアーを貫通させる!と言う作戦にしました。実際は貫通する訳では無いのですが、イメージ的に分子の隙間から硬化剤(密着)成分を浸透させ、下塗りに塗った黒と結合させる、みたいな感じです。

bmw526 ただし余り薄過ぎて黒味が残り過ぎるのも何なので、今回は4セットそれぞれに印を付けてそれぞれ微妙に濃さを変えるような感じで塗りました。

bmw524 これは比較的モトクロームを塗った物だと思います。

尚モトクロームを塗ってからはその上に専用のクリアー「モトクリアー」を塗りますが、それに関しても少々疑わしいところがあるので今までのようにしっかりとは塗らず、その上に塗るスタンドックスのクリアーがよく浸透するようにとドライコート気味に抑えています。それ故にメッキ感はかなり落ちてしまっていたりはするのですが(と言う事が先ほど紹介した石仮面のようにはならなかったという事ですね)。

bmw523 メッキの仕上げには程遠いですが、それでも普通の塗装でこういった金属感は出せませんし、この辺はオーナー様にも御理解頂いていますので大丈夫です(私的にはいつか本物のメッキを掛けて貰えればと思っていますので)。

と言う事で、後は最後にこの「e」の側面に、最初に紹介した画像にある「e Drive」のエンブレムと同じ様に「側面を青」に塗れば完成となります。

ただ最後の最後にチヂレたりしたら嫌過ぎますので(笑)、どうぞもう少々お待ち頂ければと思います。

BMW X5 M “50d”→”40e”エンブレム 下塗り

bmw498 先日シリコン型からの注型で作ったBMW X5 M 40e用のエンブレムです。全部で4セット用意しました。

「0」の部分についてはオリジナル(純正部品)からの複製となりますが、「4」と「e」については原型をMDFの板から切り出してマスター型を造り、それを複製しています。工程についてはこちらの社外記の方で紹介していますので宜しければどうぞ。

画像は先日塗ったサフェーサーが完全硬化したので、この後全体を研いで形を整えます。黒い点々は研ぎ作業の時の目安となるガイドコートです。

bmw499 大まかなラインは出ているので、サフェ研ぎは#800の水研ぎからスタートし、最後はアシレックスレモン(#800相当のソフトな布状の研磨副資材)でペーパー目を均します。

ちなみにエッジを削るのは最後の最後で、これが自動車の板金塗装だと何故か板金屋さんはあえてこのエッジを残したまま回して来たりするのですが、多分それは「ほら、ちゃんとライン出ているだろ?」って暗に言っていると言うか「俺の仕上がりを見てくれ!」みたいな感じなのだと思います。板金屋さんからすると塗装屋の方が華やかで羨ましいらしいみたいで、って言うか塗装屋的には最後までちゃんと研いでおいてくれよ!って感じなんですけどね(笑)。

bmw517 そして下塗り準備完了です。ちなみに下塗りと言っても今回のは「艶有り黒」の本塗り同様で、むしろ失敗が許されないので普通の本塗りよりも気を遣います。塗装屋さんなら経験あるから判りますよね。とても気分が悪くなります(ストレスで)。

bmw518穴など塗り難い箇所は裏側からもスプレーできるように、設置方法はとにかく隙間を空けるようにして固定しています。

固定方法としては裏側をよく脱脂して丸めたガムテープを食み出さないようにして貼り付け、それを模型塗装用のワニクリップで摘んでブリッジするように固定しています。

bmw591そして下塗り完了です。と言っても塗装内容は通常の黒と同じく「ベースコート(黒)+クリアー」で、気温は低かったですが硬化剤は少し遅め(15-30)にして、シンナー希釈率をいつもより少し高め(15%→20%)にし、「薄膜&肌目の無い仕上がり」になるようにしています。なのでクリアーもレベリング性の高いクリスタルクリアーを使いました。

bmw520今回下塗りとして「艶有り黒」に塗っているのはこの後に塗る「モトクローム」なる塗料の為で、ただこの塗料は著しく密着性が悪い為に(剥がれてしまいます)現在は受付を禁止しているのですが、今回はオーナー様御了承の上でこれを使ってみる事にしました。以前エッティンガーのホイールセンターキャップにベンツマークを作って塗った時とアレと同じ塗装です。

bmw521ちなみにこの後に塗る高輝度シルバーの前には基本的に手を触れる事は出来ず、また脱脂処理も出来ませんから(拭き取ったスジが残るのです)、肌を荒らしたりゴミが付いたりしたらお終いです。勿論回避方法は色々試していて磨き処理も出来ない事は無いのですが、かなりリスキーですし完全ではありませんので基本的には完全硬化させた後も全く触れる事無くそのまま塗装を行います。

と言う訳で塗膜が完全硬化したらいよいよ本塗り開始なのですが、実はそれもすでに終わっています。と言うか前記したように足付け処理は出来ませんから、その代わりにSTANDOXの規定にもある「24時間以内なら足付け処理不要」の方法で密着性を保持すると言う作戦で、この下塗りと本塗りを二日間に渡って作業しています。

それでは本塗りの方もまた改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!