2015年の9月頃からお預かりしていた案件で、年末に行われる東京オーヴァル京王閣KEIRINグランプリ関連の懸賞品となったーボンフレームとフォークです。
SPECIALIZED TOKYO様から直々にご依頼頂いて塗装を進めていました。レースが終わって年が明けたら紹介しても構わない旨のご承諾を頂いていましたので作業内容を纏めて紹介させて頂きますね。
尚S-WORKSなる製品についてはこちらのページが判り易いかと存じます。まあ自転車好きの方なら良くご存知かと・・・。
デザインについてはこちらでイメージイラスを作成し、先方のご担当者様と打ち合わせをして決めていきました。
既存のデータが無い物は一から作っていくような感じで、今回は打ち合わせも含めて実作業以外に相当の時間を割きました。コストは殆ど度外視で、とにかく仕上がりと納期を優先といった内容でしたから、プレッシャーはありましたが作業自体はかなり楽しかったです。
イラスト上で各ロゴのサイズや配置が決まったら実際にプリントアウトしてフレームに合わせていき、さらにそれを再びデータ化して確認して貰うと言った作業を繰り返します。中々面倒な作業なのですが、依頼主と作業者との間で見えない物を作ろうというのですから、この辺の擦り合わせがとても重要になって来ます。多分皆ここを嫌がるんでしょうね。
デザインが決まるまでに大よそ一ヶ月を要し、11月からようやく実作業を開始しました。ロゴを削り落としてしまうと見本となる物が無くなってしまいますから、事前にロゴのサイズや配置などはきっちりデータ化してあります。
ダウンチューブを透かして見ると表面に結構な歪みがあるのが判って、こういったものは梨地や艶消しの状態だと全く判らないのですが、これがそのまま艶有りの仕上げになると非常に目立ちます。今回は艶々のゴールド仕上げでご指定頂いていますので、こういった不具合も処理していきます。
塗装したサフェーサーは熱を入れて完全硬化させ、全体を研いだらまずは下塗りを行います。
ちょっと途中工程を撮り忘れたのですが、今回の塗色は派手なゴールドカラーに見える「キャンディーイエロー」で御指定頂いていますので、最初に粗めのシルバーメタリック(MIX598)を塗装し、その上に透明なイエロー(キャンディーカラー)を塗布しています。
尚、今回のキャンディーカラーは「レモンイエロー」を5、「オレンジ」を1の比率で配合しました。
一旦ここで熱を入れて下塗りとしてのゴールド(キャンディーイエロー)を完了し、後日クリアーが完全硬化したら各ロゴを塗装で入れます。勿論途中工程の足付け処理等の下地処理は必要で、新車時だとこれをやらないので経年してクリアーだけがポロポロと剥がれるんですよね。私のTREKも酷いです。
実際にボディに合わせてサイズを調整したデータから、カッティングプロッターを使ってマスキングシートを作製しました。「S」の周りのリアス式海岸みたいなギザギザも綺麗にカット出来ています。
塗装やホコリっぽい作業は主に工場の一階で行いますが、マスキングシートの作製など細かい作業は二階で行っています。マスキング作業が長くなりそうな場合は被塗物本体を二階に運んで作業したりもします。以前行ったLOOKのフレームなんかがそうですかね。