NISSAN RB26エンジンパーツ 下準備

こちらも大変お待たせしております。作業着手しておりますのでご安心下さいませ。

現状は浸け置き用のアルカリ洗浄液でオイルを洗浄しています。本当は数日浸けておきたいのですが、今回は既存の塗膜を活かす為(剥がさない為)、浸けるの半日だけにしておきます。アルミは酸とも塩基とも反応する両性金属の為、アルカリ性の洗浄液が塗膜を突き抜け(もしくは傷部分のエッジから浸透)塗膜がアルミ素地から剥がれてしまいます。

これと同じようにパテ付けしたアルミにリン酸処理などをするとやはりパテのエッジ部分から酸が浸透してアルミを溶かしパテを剥がしてしまいます。一見するとパテや塗装が酸や強アルカリにやられているように見えますが、実際はアルミが溶けているという訳です。なのでヘッドカバーでパテや接着剤を使う場合は先にリン酸処理を済ませておくのがセオリーです。

純正の塗装はキャンディーカラーで、側面の目立たない個所には赤の色が余り入っておらず色褪せたような仕上りになっています。肌も中々凄いですね。

 

タイミングベルトカバーはプラスチック製で(以前の記憶だとPP製だった筈です)、他の金属部品は低温焼き付けのメラミン樹脂塗料で塗られている筈ですが、こちらは熱を掛けると変形するのでウレタン塗料の筈です。が、それにしてもここまで色が変色する塗料って一体どうして・・・。

比較的まともに見えるプラグカバーも中々凄い肌をしています。相当シャブイ(希釈率の高い)クリアーで塗っているんでしょうか。PG80やパナロックでもここまで酷くはならないと思いますが・・・(私的見解で、ただどちらも使った事はあります)。

と言う訳で小傷を研磨します。今回はサフェーサー工程は省く為、番手は上塗りにギリギリ影響が出ない#400の空研ぎから行います(一般的に空研ぎペーパーは目が細かく、水研ぎペーパー#600相当くらいの目となります)。

サンダーが入らない箇所は手研ぎの#400空研ぎで、その後は布状の足付け処理用研磨副資材(アシレックススカイ中目#500相当)で目消しを行います。

さらにその後は#800相当のスコッチブライトとウォッシュコンパウンドで目消し&足付け処理&脱脂洗浄を行います。

スコッチでさえ入らない個所はヘラにアシレックスレモンを巻いて当てたり、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンドを使って足付け処理を行います。

ちなみに削ってみて判りましたが、今回のキャンディーカラーは2コート仕上げで、ベースコート(濁った赤メタリック)の上に塗ってあるクリアーに直接キャンディーレッドが入った仕様となっています。これだから変色したのかも知れませんね(いやそれにしてもって感じですが)。

 

最初に入荷した時点で脱脂だけしてそのまま塗る!と言うのも勿論可能ですが、色々気にすると足付け処理だけでも一日掛かりの作業となります。

例えばヘッドカバーのサンドブラスト作業で、「当店は塗装の前にサンドブラストも行っています」といった説明でも、それが単に掃除程度の5分程の作業か、もしくは腐食を取ろうと30分間行っている作業とでは仕上りは大きく違います。

ただ説明だけで見ればどちらも同じで、嘘をついている訳でも無いので後で塗装が剥がれてもある意味仕方の無い事だと思います。嫌な話ではありますが、この辺はユーザー側も裏を読まないと痛い目を見るという事ですかね。

この後十分乾燥させて水気を飛ばしたらマスキングを行い、いよいよ本塗りとなります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!