ホンダカブヘッドカバー 本塗り

 先日お預りしておりましたホンダカブ純正ヘッドカバーです。

今回は赤と黄色の二個でご依頼頂いておりまして、本塗りのタイミングとしてはちょっと早いのですが、業者様からご依頼頂いている案件で赤の結晶塗装を塗る物があったので、今回こちらも一緒に塗らせて頂きました。

シンナーで洗い流すようにして脱脂し、その後リン酸処理を行っています。

 まずはプライマーを塗り、

 結晶塗装の赤を塗布します。スプレーパターンを細くしてフィンの隙間を一つずつ塗り、上面は8方向からスプレーしています。

 その後赤外線ヒーターで120℃~170℃くらいの熱を掛けます。結晶塗装は低温焼き付け型塗料(メラミン樹脂)なので、硬化剤は入れず、1液のままでも熱を掛ける事で網目状に架橋して塗膜を形成します。逆を言えば熱を入れなければ延々塗膜としては完成しません(見た目が乾いているだけで重縮合していません)。

 熱を入れると結晶目が現れます。

 一緒に塗った他の部品は大きなヘッドカバーやサージタンクの為、そちらはもっと結晶目を荒々しくしていて、こちらはシンナーで希釈して薄膜にし、細かい結晶目に仕上げています。

この後は他の部品と共に、恒温機(乾燥炉)で140℃30分程の熱を掛けます。

「HONDA」の凸文字はもう一個のイエローを塗った時に一緒に研磨する予定です。そちらはまだ少し先になると思いますので、どうぞ今しばらくお待ちくださいませ!