少し前に下塗りのクリアーを塗っておき、さらに先日には色を作製しておいた、ロジクール社のワイヤレスマウス、LogicoolG Pro wirelessです。
インジケーターランプと「G」の部分は透明な素材を筐体に組み合わせていて、そこに微妙な隙間が残っていましたから、そこに砥石を当てて平滑に仕上げておきます。
その後全体を#800~#1300相当で足付け処理を行います。
サイドボタンはマグネットで簡単に交換が出来る構造になっていて、磁石にくっ付く部分にプラスネジが嵌め込んである為、そこをワニクリップで固定する事にします。これらも足付け処理済みです。
そして先日作製しておいた「G」のマスキングシートを貼り付けます。よく見えるよう、トレース台の上で作業をしています。
黒い部分が絶対に食み出ないよう、且ギリギリのラインに位置を合わせます。
本当は0.9mmの円が欲しかったのですが、無かったので既製品(ハイキューパーツさん)の1mm径の丸いマスキングテープを使います。
元の丸が1ミリなので、0.1ミリのズレも許されないと言う・・・。
と言う訳で、息すら吹きかけないようにして工場一階の塗装ブースに移動です(先ほどまでの作業は工場二階となります)。
既に脱脂はしてありますが、一応マスキング部を避けてもう一度行っておきます。
元々は艶消し黒が塗ってありますが、断面は微妙なので、念の為プラスチックプライマーを塗っておきます。
サイドボタンは余計な所に塗料が着かないよう、根元の部分はマスキングをしておきます。
黒の上にいきなりマゼンタ系の色は隠蔽しないので、まずは白を下塗りします。
完全隠蔽させる必要はなく、むしろ厚膜にならないよう1コートのみに留めておきます。
同じようにマウス本体にも白を塗りますが、インジケーターランプと「G」の部分は特に塗膜の厚みを着けたくないので、そこを避けるようにして塗っています。
さらに次はマゼンタピンク系の色を下色として塗布します。ここは完全隠蔽させたいので3コート塗っています。この時点で都合4コートで、ベースコートには硬化剤も入れています。
今回は口径0.5mmのSATAエアーブラシ(DEKOR 2000)を使っています。
ちなみに画像にある台はPRO_Fitオリジナルで、ただ既に生産を終了しています。これを全部レーザーでカットしているとまるで採算が合わない事が判明しまして・・・(苦)。
そしていよいよ蛍光マゼンタピンクです。今回は色見本も作製していて、下色と並べてみるとまるで発色が違うのが判ると思います。
ちなみに今回下色に使っているピンクは、以前ピンクカモフラの塗装に採用した色の内の②で、PANTONEカラーのFORMULA GUIDE2405の近似色となります(画像はGoe GUIDEの色見本帳です)。
白は使わず、蛍光ピンクとキャンディーマゼンタとMIX576(STANDOX原色で青味のレッド)で構成されています。
オーナー様より頂いている参考画像に合わせてみました。画像よりも派手な感じですが、これが艶消しになると発色が抑えられるので、鮮やか過ぎるくらいで問題ありません。
中々良い色なので、今度こういった系でグラデーションさせたマイクの色見本を作ろうと思います。
と思いきや、そう簡単にはいきません。ここからの修正がまだまだ続きます。
最初に作ったマスキングシートを、0.2mmオフセットさせたデータで改めてカットした物を貼り付けて、
それでもまだ甘かったので、最初のデータから0.5mmオフセットさせたマスキングシートを作製し、再び蛍光マゼンタピンクを塗布します。
マスキングを剥がし、下色に塗った白や元の黒が見えないかをよくチェックします。
塗装に完璧な仕事は無いのですが、どの作業も一応それは目指しています(勿論掛けられるコストの範囲内でですが)。
ちなみにこの時点で製品に元々あった段差(溝)が残っていると厄介だったので、最初に下塗りのクリアーで平滑にしています。
さらに難しかったのが上の1ミリ径のインジケーターランプ×3で、綺麗な曲線になっていない個所はピンセットの先で除去してもう一度マスキングして塗ってを繰り返して何とか形にしました。次回同じことをするなら、0.8mm径のPP製マスキングシートが欲しいところです(どこかに売っているでしょうか)。
そして最後にクリアーなのですが、この時点ではまだ下塗りとするので、艶消しでは無く普通の艶ありクリアーを塗りました。
ちょっと判り難いのですが、インジケーターランプ部が凹んでいるのが判ると思います。
本塗り(艶消しクリアー)の前にこの段差を平滑にしたかったので、一旦ここでは艶ありのクリアーを塗って完全硬化させ、再度削って平滑にしてから最後の艶消しクリアーに挑む予定です。