マウスカバー塗装 完成

大変お待たせしました!先日2回目の本塗りを終えていたマウスカバーの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々は艶ありの塗装が施されていて、てっきり黒い塗料かと思いきや、黒い着色樹脂にクリアーだけが塗装されていたらしく、その着色樹脂に染料のような溶剤で溶けだす成分が練り込まれていたようです。平面部分は問題無かったのですが、クリアーがしっかり塗られていない箇所=フチで滲み(ブリード)が発生し、2回の塗装を行う事で解消されました。

白はフォルクスワーゲン社の「キャンディホワイト」(カラーコード:LB9A)で、

クリアーは艶消し仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

「つや消し」といっても色々な方法があり、例えばクリアーを塗らないベースコートのままでも似たような見た目にする事は出来ますが、それだと缶スプレー(ラッカーや模型用塗料)と大差ないので、使っている内に擦れて下地が露出したり、触った箇所の艶が出易くなってしまったりします。

今回のような2液ウレタンの艶消しクリアーであれば、自動車ボディの艶消し塗装と同様となりますので、強度についてもそれと同等と考えて頂いて大丈夫です(使っていて擦れて素地が露出するなんて事はまず無いかと思います)。

またクリアーはしっかりウェットで塗り込む事で、シットリとした高級感のある艶消し具合に仕上がっているかと思います。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

マウスカバー 本塗り

先日お預かりしておりましたマウスカバーです。

現状は艶ありの黒に塗装されていましたので、全体を#800→#1300の空研ぎで足付け処理を行いました。

脱脂清掃し、念のためフチ~裏側に周り込む部分までプラスチックプライマーを塗布しておきます。

そしてベースコートを塗布します。色はVW社のキャンディホワイト(カラーコード:LB9A)となります。

続けて艶消しクリアーを塗布します。

・・・が!

クリアーを塗った途端、フチの色が変わりました。これは所謂「滲み」(ブリード)ですね。

塗装されている部分は問題無いのですが、

プラスチック素地が露出していると思われるフチや角で色が変わっています。恐らく元々塗られていたのは「艶あり黒」では無く「透明なクリアー」で、黒の色自体は樹脂素地の色=着色樹脂だったと思われます。この場合、樹脂中に練り込まれた染料が溶剤に溶け出す事によって色が滲んだようになります。元々塗装が前提とされる自動車部品でこういった事はまず無いのですが、家電製品等では「より黒く見せる為」としてこういった事がされているのをよく見受けられます。

と言う訳で、その後熱を入れて塗膜を完全硬化させ、後日改めて同じ仕様=キャンディホワイト+艶消しクリアーで本塗りを行いました。

今度は大丈夫です。

塗装の対象を自動車関係から小物全般に移してからはこういった想定外の事は多々発生していて、最初の事はかなり凹んだ時もありましたが、今は納期を未定にする事で時間的に焦る必要は無くなりましたから、比較的落ち着いて対応出来るようになっています。今回も一回目の本塗りは結構前に行っていたのですが、その後同じ白で塗る御依頼が入ったのでそれと一緒に行う事でロスを減らしています。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

マウスカバー塗装承ってます

先日到着しておりました、パソコン用マウスのカバーパネルです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

現状は艶あり黒に塗られていて、今回はこちらを「つや消し白」への塗装で承りました。

状態としては傷等は無いので、足付け処理だけしてそのまま上塗りを行う予定です。

以前艶消し白に施工した時の画像がありますのでそちらを紹介させて頂きます。

この時と同じく、白はVW社のキャンディホワイト(カラーコード:LB9A)を使う予定です。

その他昔の画像ですが、同じようにマウスカバーを塗装した時の画像がありました。

こうやって見るとキャンディホワイトよりかなり黒い白(グレー)に見えますが、実際には白の原色そのままで塗っているので、先ほどのホンダのエンブレムより白い白となります。当時使っていたノートPCのモニターが明る過ぎたみたいで、今見るとその辺の画像は全部暗く感じてしまいます(特にスモークは濃度の見え方が違って見えてしまうので、現在は参考画像を見ながら調整する方法としています)。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

 

ロジクールワイヤレスマウス ロゴ用マスキングシート作成

 先日分解作業を終えていたLogicoolG G PRO wirelessのマウスと、見本用としてお預かりしたもう一つのマウスです。

 塗装を行う方のマウスは既に分解してしまっているので、見本用としてお預かりした同型のマウスを使ってロゴ用のマスキングシートを確認する事にしました。

 まずはいつものマスキングシート(ポリプロピレン製)でカットし、大体の位置に貼ってみます。これはガイド用ですね。

 こちらが本番で使う用で、曲面にも貼れるよう0.8mm幅の線状にしました。

 形が崩れないようアプリケーションシートを貼り、最初に貼ったガイド用のシートにに合わせて貼ります。

 本番では先にホワイトパールを塗り、その後ロゴの赤(フェラーリロッソコルサ)を塗ります。先に赤を塗ってロゴの形でマスキングが出来れば凄く楽なのですが、隠ぺい性の違いからしてそうは出来ないんですよね。

 また懸念していた事として、フチの回り込んだ所はどうなるかと思っていたのですが、やはりコシの強いPP製のマスキングシートだとここが浮き上がってしまうので、没となりました。

 改めてマスキングシートでは無く普通のマスキングテープをカットします。

 カットはプロッターでは無くレーザー加工機を使いました。

試しに貼ってみるとやはりと言うかこちらの方が塩梅が良く、本番はこれで行く予定です。

ロゴの位置についてはイメージイラストで作成した2次元と、実際に貼ってみた3次元ではやはりズレが生じたので、この辺の調整をもう少し検討してみようと思います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ロジクール ワイヤレスマウス塗装 完成

 大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたロジクール社のワイヤレスマウス、LogicoolG Pro wirelessの塗装、本日完成となります。

尚、組み付け作業はこちらの社外記のページで紹介していますので宜しければご参照下さいませ。

最初の状態も紹介しますね。

元々は艶消しの黒に塗装されていたのですが、オーナー様に参考画像をご用意頂き、そちらと同じような仕様にと作業を承りました。

 ちなみに蛍光灯で見ると余り色がハッキリとしないので、今回はストロボを使った撮影を多くしています。ただ色の比較としては判り易いと思いますので、それぞれ違う環境で撮影した画像を掲載しています。

 サイドボタンはマグネットで簡単に着脱式となっていて、今回は予備の4個も含め、全部で8個を塗装しました。

 こちらは自然光で撮影した画像です。

 「G」の部分と、その上のインジケーターランプ×3箇所は、マスキングで透明なままにしているので、ちゃんと光ります。

 こちらはストロボを使った撮影ですが、この状態だと色がパッとしません。

 先ほどと全く同じカメラの設定で、背景だけを変えてみました。なぜここまで色味が変わって見えるのか不思議です。

(そう言えば知り合いの塗装屋さんから、ブラックライトを当てると良いと聞いていたのをすっかり忘れていました・・・)。

 各画像はサイズの縮小以外は編集加工をしておらず、撮ったそのままとなります。

当初はここまで大変な作業になるとは思っていなかったのですが、この系の色相は通常の顔料(STANDOXなどの自補修用塗料) では全然近くもならなかったので、その結果蛍光顔料を使う事となり、またマスキングの段差も気になってしまったので、それの処理に思った以上に手間と時間が掛かってしまいました。

既に同じようなお問い合わせが何件ありますが、そもそも結構な費用になっていますので、御依頼に至るケースは稀だと思います(是非どこか別の塗装屋さんがチャレンジして頂く事を期待しています)。

 隠蔽性の弱い色なのでどうしても膜厚は付きやすく、その結果マスキング際はどうしてもガタガタになって醜くなりがちですが、サイズを変えた(小さくした)マスキングシートに張り替えて塗ったり、また一旦普通のクリアー(艶あり)で仕上げてから平滑に削って改めて艶消しクリアーで仕上げるなどにより、近くに寄ってよく見ても、これを手作業で塗ったとは判らないような仕上りに出来ているかと思います。

 直径が1ミリのインジケーターランプもピッタリ元の通りにクリアー抜きに出来ているかと思います。カッティングプロッターでここまで小さい円は綺麗に切れないので(楕円になってしまいます)、今回はハイキューパーツさんのカット済みマスキングシートを使いました。今度同じことをするならPP(ポリプロピレン製)の物を探してみたいと思います(ってそんな需要殆ど無いですか・・・)。

 参考までに左が艶ありクリアー仕上げ、右が艶消しクリアー仕上げとなっていて、色自体(ベースコート)はどちらも同じ物ですが、艶が違うと色(色相・彩度・明度)が違って見えるのが判るかと思います。艶消しクリアー塗装仕上げは本当に奥が深いです(恐らくですが、クリアー中にシリカ粒子が入っているせいで濁りや光の屈折&反射が変わって違うように見えてしまうのだと思われます)。

まるでカタログのようですが、こちらも加工編集無しで、サイズの縮小のみです。

塗膜の強度については、自動車ボディのそれと同じ物と考えて頂いて大丈夫です。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!