Maptunブレーキキャリパー 本塗り

 先日お預りしていたSAABに取り付け予定のMaptunブレーキキャリパーです。

 元々キャリパー前面にメーカーロゴが彫り込まれているのですが、今回はこれを塗装で御依頼頂いていますので、いつものブレーキ屋さんにサンドブラスト作業を依頼する前にこれを削り落としておきます。

 #80のシングルサンダーで削り落としておきました。ブラスト処理後にまた削るので、この時点では粗研ぎで大丈夫です。

 その後ブレーキ屋さんにお預けし、サンドブラスト処理を行って戻って来た状態です。元々は未塗装の新品でしたが、アルマイト被膜はメッキと同じでそのままだと塗料が密着しない為、ブラスト作業は必須となります(またはダブルアクションサンダーでも対応は可能ですが、見ての通りこの形状をペーパー掛けするのは物理的に難しいのです)。

 文字が彫ってあった面を改めてシングルサンダー#120で均し、さらに全体を#120~#180で研磨します。

 その後全体をシリコンオフで洗い流すようにして脱脂清掃し、ブースにセットしたら本塗り開始です。

 まずはプライマーを塗布し、

 塗膜の厚みを付けたく無い箇所にベースコートの黒を薄膜で塗り、マスキングをします。主に高トルクで締め付ける車体との固定部分と、遊びが殆ど無いシャフトを通す穴部分ですね。

 まずは下塗りを塗布します。今回はVW社のハーベストムーンベージュを使いました。

 そしてご指定頂いたSAAB「SAFFRON YELLOW」(カラーコード:308 )を塗布します。原色ではオーカーが結構入るので、いつもキャリパーに塗っているイエローよりは隠蔽力が高いイエローとなります。

イエローに塗ったベースコートが十分乾燥したら、オーナー様に入稿して頂いたロゴデータを使ってカットしたマスキングシートを貼り付けます。

 まずはライン部分の赤を塗装します。色はフェラーリのロッソコルサ(カラーコード:300)を使いました。

 ライン部分だけを0.2mmオフセット(大きく)したデータを作り、別途マスキング用のシートを作製しました。

それを赤く残したいライン部分に貼り付けます(両端は要らなかったですね)。

 その後黒を塗り、マスキングを剥がします。

 再びフックに吊るした状態に戻し、

 クリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 ブレーキキャリパーに関しては洗浄・サンドブラスト・マスキングの作業を外部に委託している為、他のご依頼品に比べて比較的早めに作業が出来ている所があります。

当店ももう一人塗装屋が居れば今より相当早く完成は出来ると思うのですが、「これに何の意味があるんスカ?」とか言われてしまうと思うので、多分無理だと思います・・・。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!