モーガン用メーターパネル サフェ入れ

先日お預かりしておりましたステンレス製のモーガン用メーターパネルです。

 まずは素地調整&足付け処理としてダブルアクションサンダー#120で研磨します。

手でペーパーを掛けたりシングルサンダーを使うと傷は一方向にしか付かず、艶が出たような状態では塗料は密着しません。ダブルアクションサンダーでは全方向に傷をつけ、被塗面の表面積を増やしつつアンカー効果(投錨効果)を期待してこの後に塗るプライマーの密着性を高めます。これは塗装に限らず接着剤を使う時も同様です。

元々はオーナー様が自家塗装にチャレンジされていたとの事で、フチなどに残っている塗料もしっかり取り除いておきます。

自家塗装で使うラッカー塗料やペンキ(フタル酸樹脂塗料)はウレタン塗料よりも弱いため、その上に塗料が乗ると「チヂレ」等のトラブルも生じます。無理にドライコートで抑えようとすると密着性が劣りますし、チヂれないまでも予備軍は既に密着していないので最初の段階でしっかり取り除いておく必要があります。

脱脂も単にシリコンオフとウェスで拭き取るだけだと「膜」が残ってしまう恐れがあるので、使い古しのウエスでも常に新しい面を使って何度もよく拭き取ります(ステンレスは酸化し難いので大丈夫だと思いますが、亜鉛鋼板の場合では研いだ粉の膜が残ったような感じで何度か嫌な思いをしました)。

裏側に残っているプラサフはそのまま残しますので、ガムテープを丸めた物を小さくカットして裏側全体に配置してメーターパネルを固定します。

 少し浮いた状態になっています。

 ここがくっついてしまうとサフェもそこで固着してしまうのでNGです。

 まずはプライマーを塗り、

続けてサーフェサーを塗布します。ガン口径は1.3mmで、ウェットで4コート程塗っています。一度に塗るとブリスターやワキが発生するので、コート毎に10分くらいのフラッシュオフタイム(乾燥時間)を設けています。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて硬化させます。

上塗りはつや消し黒で承っていますので、インターフォンと一緒に本塗りを行うよう並行して作業を行います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!