SHURE SM58マイク ピンクグラデーション本塗り

 先日お預かりしておりましたSHURE SM58マイク×2本の内の一つです。

マイク本体は#800相当で、グリルボールは#1300相当の研磨副資材とウォッシュコンパウンド+ナイロンブラシを使って足付け処理を行っています。

 グリルボールはピンクゴールド=3コートキャンディーカラーで承っていますので、下地にシルバーを塗ります。透かしが黒くて正面が明るく粒子の細かいスタンドックスSPFシルバー(JLM-906)を使っています。

 その上に透過性のピンクゴールドを塗布します。塗膜の厚みがつくのでベースコートにも硬化剤を適量添加しています(通常STANDOXの2Kシステムではベースコートへの硬化剤添加は必要ありませんが、膜厚が大きくなる場合には必要です)。

 マイク本体の方は白とピンクのグラデーションで承っていますので、まずは白を塗布します。VW社のキャンディーホワイト(カラーコード:LB9A)を採用しました。

 ピンクは当店規定の色見本を参考にして作りました。具体的には左側の「MIX561」(朱色っぽい赤)と右側の「MIX576」(青味のある赤)を1:1に、それを白97%と混ぜました。

 ピンクの塗装には口径0.5mmのSATA dekor2000エアーブラシを使いました。

 予め作成しておいたイメージイラストを参考に塗装範囲や色なども確認しています。

そしてその上にコースガラスフレーク(PP304)を塗り重ねます。ガラスフレークとありますがパールに近い物で、今までピンクパールの場合にはホワイトパールやアメジスト(バイオレット)、レッドパールを使っていましたが、こちらの方が下色に影響を与えず(黄色くならず)、さらに光に当たった時の煌めき感が強いので今回からこちらを採用しています。PP304についてはこちらの記事でも紹介していますので宜しければご参照下さいませ。

尚、使用する際は粉のままでは無く、樹脂(ベースコート用クリアー)に5%添加して使っています。

 ベースコートが十分に乾いたら場所を工場二階に移し、「SHURE」のデカール貼り付け作業を行います。

 ゴールドのロゴを表と裏、合計二ヶ所に入れました。

デカールの作成についてはこちらのページの記事が判り易いかと思います。

 そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 グリルボールはピンクゴールドのべた塗りとなります。

 クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」の仕様となります。

 パールを入れると下に塗った色の彩度を落としてしまうのですが、ガラスフレークではそれを損なわず、上品且つキラキラと輝いた表現をしてくれます。既存のガラスフレークは顔料自体が黒い為、こういった明るい色の上には使えませんでしたが、今回採用した原色ではこれが大丈夫なのです(恐らくはパールと同様、表面に二酸化チタンをコーティングをしているからではと)。

 ブースの中だと全方向から光が当たっているので判り難いのですが、水銀灯やスポットライトに当たると見事に表現してくれます。先日塗装した色見本を撮影した画像があるのでそちらを紹介させていただきますね。

 今回と同じく、VWキャンディホワイトの上にコースガラスフレーク(PP304)を重ねたベアブリックです。小さいのでちょっと判り難いのですが、

平面の色板で見ると、少ない光量でも非常によく輝いているのが判ると思います。

尚、今回はもう一本はキャンディーマゼンタとクロマフレア風の2トーンカラーでご依頼を頂いておりますので、そちらも後日改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!