NISMOドライカーボン製導風板 下塗りクリアー

 先日ロゴの準備(確認)をしておいたニスモ社のドライカーボン製導風板です。

  最初に勤めていたディーラーの内製工場では、基本的に扱うものは純正品である事から、ドライカーボン素材といった物を扱う機会は全く無かったのですが(そもそも当時は流通していませんでしたし)、その後独立して構えた工場の真ん前にチューニングショップがあって、そこからのご依頼でR34ドライカーボンのフロントバンパーを何度か塗らせて貰い、毎回大変な思いをしている内に重要な事に気が付きました。とにかく最初の段階でどれだけ脱脂が出来るかが肝心なんですよね。繊維が重なった箇所に出来る巣穴に残った離型剤をしっかり除去する必要があります。

 最初はシンナーやシリコンオフ、アセトンなどの溶剤を使って脱脂清掃し、その後はスコッチとウォッシュコンパウンドで研磨・洗浄を行います。

ある程度やったら水を流してみて確認をし、このように水が弾いてしまうのはまだ全然ダメな状態です。最終的にこれが完全になくなるようにまでします。

その前に、一旦足付け処理の為に#400で足付け処理を行います。ちなみにドライカーボンは固いので#800程度のスコッチでは足が付きませんから、ある程度の番手が必要です。

その後は再びスコッチ&ハジキシラズです。

しかし弾く弾く!(恐)。

そんなこんなを繰り返していく内にしっかり親水性になったらようやく下塗り準備完了です。

ちなみに今回はまな板くらいのサイズだったのでハジキシラズを使いましたが、ボンネット程のサイズとなるとかなりの使用量となるので、そういった場合は工業用石鹸(ピンク石鹸)を使ったりもします(握りこぶし二個分くらいは使いますので)。

 その後よく水気を取り、台にセットして下塗り準備完了です。

 最後はシリコンオフでしっかり脱脂をし、

トップコートクリアーを塗ります。

画像で2コート塗った状態で、カーボン繊維の凸凹は出ていますが、巣穴は比較的少ないです。さすがNISMO製といったところでしょうか。

この時点で残っている巣穴にはクリアーを筆挿しし、

 最後に3回目のクリアーを塗って下塗り完了です。

カーボン繊維目は残っていますが予想よりは断然良い状態です。

この後は60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、表面を研いで平滑にし、もう一度下塗りクリアーを行うか、または先にロゴ入れ(ロゴ抜き)を行う予定です。完全硬化後の様子を見てからですかね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

また今回一緒にバイク用カーボンフォークも一緒に塗っていますので後ほどそちらも紹介いたします。