フェラーリ355ヘッドカバー 本塗り

先日お預かりしておりましたたF355ヘッドカバーとプラグカバー一式です。その後アルカリ溶剤槽に浸け置きして油分の洗浄を行っておきました。

その後、廃シンナーを貯めた溶剤槽に浸け置きをして塗膜を剥がしておきました。

剥離剤と違って簡単には剥がれてくれませんが、途中スクレーパーやワイヤーブラシで擦ってを繰り返し、最後に綺麗なシンナーで洗い流すようにして洗浄をすれば、

このように綺麗に剥がれてくれます。最後の洗浄に使うシンナーや、スプレーガンを洗った後に本来なら使い捨てる物を溶剤槽に貯めて再利用しているので、無用にゴミが出ないという点でとても気に入っています。

先ほどの状態からリン酸処理を行った状態です。アルミの輝きが無くなって表面が鈍く曇っているのが判ると思います。

まずはプライマーを塗布します。

プラグカバーの裏側は元々何も塗られていないので通常なら(業者さんからの下請け仕事なら)そのままですが、出来るだけ長持ちして欲しいので、プライマーを塗っておく事にしました。

ただしこのままだと格好悪いので、

シルバーを塗っておく事にしました。

同じ様にヘッドカバーの内側(プラグ周り)にもシルバーを塗っておきます。

そのままでも良かったのですが、折角塗って綺麗になったのでプラグホール周りにはマスキングを行い、

その上にプラグカバーを 被せて、

赤の結晶塗装を塗って本塗り完了です。お待たせしました!

別々に塗ると塗膜の厚みの違いから結晶目(チヂレ目)が変わってしまうので、この型のヘッドカバーはいつもこのように重ねた状態にして上塗りを行っています。

その後赤外線ヒーターで、140℃~170℃程の熱を40分程掛けて塗膜を硬化させます。

結晶塗装用の塗料(リンター)は、硬化する過程で塗膜の表層が収縮し、チヂレたような模様を表現します。

チヂレ目は、塗膜の厚さや熱を掛けるタイミングによって変わります。

マニュアル上ではこの状態でも硬化しているですが、凸部を研磨する際に「グニュッ」となって半生に感じる事があるので(殆どそうです)、念のため後日今度は恒温機(乾燥炉)で120℃30分程の熱を掛けるようにします。

この後は凸部を研磨してアルミ地を露出させて光らせます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!