先日本塗りを終えていたF355ヘッドカバーとプラグカバー一式です。その後120℃30分程の熱を掛けて二度焼きしておきました。
#120のダブルアクションサンダーで粗研ぎをし、その後は#120→#180→#240→#320→#400→#500→#800と番手を上げてアルミ素地を光らせます。
そのままの方が金属感があるのですが、経年でアルミの表面は曇ってしまう為、腐食の進行を出来るだけ遅らせられるようクリアーを塗っておきます。
その後60℃40分程の熱を掛けてクリアーを硬化させ、さらに数日寝かしたら完成となります。大変お待たせしました!
最初の状態も紹介します。
それらを綺麗に剥がし、今回は素地調整(リン酸処理)とプライマーを塗っておきましたので、新車時のように塗膜がペリペリと剥がれて来ることは無いかと思います。
ちなみに今回のように塗膜が剥がれたのは塗料の耐久性が落ちたからと言う訳では無く、密着性が無くなった事が原因となります。
焼き付け型の塗装はそれ自体で密着性の良い塗料なのですが、金属素地に塗る場合、プライマーを塗っていないと今回のように経年で剥がれてしまいます。職業訓練学校自体、金属塗装業界の重鎮(何かの組織の会長)が講師としていらっしゃった時、「工業塗装の多くではコストが優先され、それ自体で密着性が良い焼き付け塗装はプライマーを省かれる場合が多々ある。気づいた時にはもう10年経っているのでクレームが入る事も少ない。ただし車の外装塗装でそんな事があってはならないので、そこには十分コストが掛けられている」みたいな話をされていました。ヘッドカバーは自動車塗装と言うよりは金属塗装=工業製品とみなされているのだと思います。
今回はプラグホール周りにもプライマーとシルバーを塗ってみました。
恐らく今後100年以上必要とされ続ける部品だと思いますので、何もしないより(塗らないより)長持ちしてくれると思います。