先日本塗りを終えていたカワサキZX6Rの純正ウィンカーレンズです。
今回は「極薄め」の濃さでご依頼を頂いていて、この場合かなり微妙な濃さ(薄さ)ですから、枠を塗る前に一応確認しておく事にしました。画像左側にあるのが見本の「未塗装品」で、右側がレンズにスモーク塗装を施した物となります。
左が未塗装品、右がスモーク塗装済み品となります。
一応装着もしてみました。左がスモーク塗装済み品、右が未塗装品(ノーマル)となります。
続けて次は枠部分の塗装となります。今回塗装したカバーの枠=樹脂素地の黒が、車体側の本体=樹脂素地の黒と色も質感も違うので、出来る範囲でそれに近づけようという作業となります。最初のご依頼のこちらの記事が判り易いかと思います。
先にスモーク塗装を行ったレンズ面をマスキングし、一緒に塗った枠の部分を足付け処理します。
ベースコートにハードナーとMIX008を添加した黒を塗布します。
MIX008はSTANDOXの原色の一つで、本来は「メタリックの粒子を立たせてギラツキ感を高め、正面を黒く、透かしが明るく」といった作用をもたせる顔料になりますが、それとは別に「艶消しになる」といった副効果があるので、今回はそれを利用しています。
また今回はクリアーを塗らない【激安コース】の仕様なので、ベースコートにはハードナー(硬化剤)も添加しています。これはバンパーのストラクチャー塗装(ザラザラとした塗装)の際に最後に行う塗装と場合と同じような方法であって、完全に独自の方法と言う訳では無くオフィシャル手法の応用、といった感じとなります(旧DUPONTでも自動車内装の皮や人口皮革を補修塗装するスマートリペアなるメニューがあり、同じような方法でした。
参考までにSTANDOXのテクニカルへのページをリンクしておきます。
→2ステージプラスチック塗装ベースコートテクスチャー凹凸仕上げ
塗装屋さんならあるあるなのですが、塗装して日が経っていない状態(一か月程度)でマスキングテープを貼ったまま熱を入れると、その糊の溶剤分で塗膜に跡が残ってしまう為、忘れないうちに剥がしておきます。
今回塗装したカバーが装着される、車体側のパーツ(樹脂素地)と並べてみました。塗装した方は少し白味が足りない感じですがこれは梨地による見え方の違いで、外で見ると丁度良い感じになるかと思います(前回のは逆に室内だと色味が合って見えるのですが、屋外だと白味が強すぎた傾向にあったのでは、と思います)。
この後は再び60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、後日完成次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!