先日下準備を行っていたホンダN-VAN純正テールランプです。
透過性塗装は通常の塗色と違ってデリケートな塗装となる為、本塗り前日にはブース内の床や壁、作業台や棚板等を清掃しています。
テールランプの赤いレンズ部分はこの時のように「薄目と標準濃度の中間」とする為、まずはその画像に合わせて全体にスモークを塗り、
その後クリアーレンズ部のみをフリーハンドで(マスキングは行わず)スモークを重ね、この時のように「標準濃度より少し薄く」として少し濃くします。
ハイマウントストップランプはテールランプの赤いレンズに合わせてスモークを調整し、
サイドマーカーはクリアーレンズ部の濃さに合わせて調整します。
スモークの濃さの調整は、ベースコートクリアー中のスモーク濃度と、さらにコート数(膜厚)で行います。ただしベースコートは厚塗りになると塗膜の強度が落ちる為、最大で6コート以内にこれを納めるようにします。ただし何回かに一回はクリアーを塗った後に「もう少し濃くしたい」と思う場合があり、この場合はトップコートクリアーに直接スモークを添加し、さらに通常のクリアーを塗る、といった裏技的な方法を行う場合もあります。トップコートクリアーにスモークを入れて塗った場合、表面張力で塗膜が厚くなった箇所だけスモークが濃くなるという弊害が起こりますが、「6コート+1」程度の微調整であれば問題はありません(ただとても時間が掛かります)。
そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!
クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。
スモークをベタ塗りにした場合に比べ、クリアーレンズ部が濃くなった仕様となります。
この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。
それでは完成次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!