ムーブヘッドカバー&インマニ 本塗り

先日凸文字部の最終処理を行っておいたダイハツムーブのヘッドカバーと、

インテークマニホールドです。

インマニはサンドブラストを行い、ヘッドカバーと共にリン酸処理済みとなります。

インマニは裏側もしっかり塗れるよう、棚板の端にボルトで固定しています。

まずはプライマーを塗布します。

裏側を塗る場合は下から上を覗くようにして塗るのではなく、棚板ごとひっくり返して塗っています。この方が細部までしっかり見れますし、何より作業者(私)が無理の無い姿勢で塗れるのでその分仕上がりが良くなります。塗装の仕上りは技術的な事よりも、どれだけストレス無くそれがやり易いかによって大きく変わると思っています(勿論ある一定のレベルを超えての話ですが)。

ヘッドカバーも全体にプライマーを塗布します。パイプは元々メッキが施されていますが、耐食性の高い物では無いので一緒に塗る事にしました。

その後パイプ部分にはベースコートの黒を塗布します。

同じ様にインマニにもあるホースパイプ取り付け部もベースコートの黒を塗り、しっかり乾燥させたらマスキングをしておきます。

色は黒の結晶塗装にパウダータイプのブルーパールを混ぜて作ります。

塗料は、「顔料」「樹脂」「溶剤」(+添加剤)で構成されていて、それぞれの組み合わせで用途や特性が変わります。

今回の場合は「黒顔料」+「熱硬化型樹脂」(メラミン系等)+「添加剤」(伸縮率の違う樹脂」+「専用溶剤」に、「ブルーパール顔料」を単体で入れているだけなので何ら問題はありません。トラブルが起こるのは大抵違う種類の樹脂や添加剤(硬化剤等)を混ぜた場合ですね。

結晶塗装黒+ブルーパールの塗料を、全体の膜厚が均等になるようコートします。大体6コートくらい重ねています。

その後140℃~170℃程の熱を40分程掛けて焼付けます。

結晶塗装用の塗料=リンターは120℃20分程がマニュアル上での硬化時間なのですが、赤外線ヒーターだとどうしても一方向からだけの加熱で温度にムラが生じる為、高め&長めに設定しています。

ぱっと見は黒ですが、光に当たると青味が出るのを感じられるかと思います。

この後もう一度恒温機で120℃30分程の熱を掛けて二度焼きし、後日凸部を削ってアルミ素地を光らせます。

インマニは形状が複雑なので、スプレーパターンを一番細くし(丸吹き)、塗り難い所から狙い撃つようにして全体が均一になるようにしています。

今の小物塗装で一番プレッシャーが高いのがこの結晶塗装で、塗っている最終と塗り終わった時は心拍数が半端ない事になっているので、もう少し歳を取ったら受付を停止しようと思っています。いずれ塗り終わった後にそのまま倒れてしまうのではないかと…。

裏側はプライマーを塗る時と同様、棚板ごとひっくり返して塗っています。

貼り付けた切り文字の根本=接合部をしっかり埋める事で本体との一体感が生まれ、一見して後から取り付けたとは判らない仕上がりになるようにしています。

次は恒温機を使って120℃30分程の二度焼きを行い、凸文字の天面を削ってアルミ地を光らせ、その部分の腐食の進行を遅らせられるようクリアーを塗っておきます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!