先日お預かりしておりましたスバルSTIブレンボキャリパーです。その後いつものブレーキ屋さんにてサンドブラスト等の下準備を行って貰い戻って来ました。
このままでも塗れる状態ですが、
目立つロゴ面は#80→#120→#180で機械研磨して切削跡を均し、さらに全体を#240で手研ぎをしておきます。
その後シリコンオフ(脱脂用溶剤)で全体を洗い流すようにして脱脂処理し、
続けて、膜厚を着けたくない箇所にベースコートの黒を塗布します。以前行っていたブレーキ屋さんからの下請け的な作業ではこういった事はしていませんでしたが(金属素地剥き出し仕上げ)、その後直接当店へ御依頼頂く方が増えたので、先ほど紹介した最初の素地調整(サンディング)を含め、掛けられるコスト内で出来るだけ仕上がりが良くなるようにと作業内容を見直しました。
ベースコートの黒が乾いたらマスキングをします。これらの箇所は最後まで剥がさない部分ですね。
その後ベースコートのシルバーを1コート塗り始めた時点で、ブレーキパッド当たり面の部分を黒く塗るのを忘れていて、こちらも追加しました。
元々型を取っていたマスキングテープより一回り大きいサイズでマスキングシートをカットしてそれを貼り付けています。食み出ているのはわざとで、これによりフチの仕上がりがガタガタになるのを防止します。
STIのロゴは以前作成したデータがあるのでそちらを使用します。最初に使っていたカッティングプロッターは、それを動かしているPCが壊れてしまったので、その後知り合いの塗装屋さん(GUNさん)に使っていなかった同社GRAPHTECのカッティングプロッターを譲って貰い、改めて使えるようにしました。ありがたい限りです。
キャリパー本体にはVW社のリフレックスシルバー( LA7W)を塗布し、それが乾いたらマスキングシートを所定の位置に貼り付けます。STIの右下に貼ってある黄色いマスキングテープは、位置決め=ガイド用の物ですね。
キャリパー本体への塗装は口径1.2mmを使っていますが、ロゴの場合でそれを使うと塗料が出過ぎて段差がついてしまうので、この場合は0.5mm以下の物を使っています。
タッククロスで拭いたり、マスキングテープを貼って剥がしたりして余分なバリを取り除きます。
そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!
やはりというかサイズの大きなキャリパーなので、2個でも4個分の疲労感があります。
ブツ切りマスキングの箇所は2回目のクリアーが塗り終わって直ぐに剥がしておきます。
この塗装方法の場合、目立つロゴ面は地面に対して垂直になってしまう為、どうしても肌が「側面の肌」(車体でいうとドアパネル等の肌)になりますから、完全硬化後にはこの部分を磨いて滑らかにするようにしています。
この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。
それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!