スバルレヴォーグテールランプ 本塗り

先日に引き続き、下準備を行っておいたレンズパーツ一式です。

テールランプ系のレンズはPMMA=アクリル樹脂素材が殆どで、他の塗装と同様そのまま塗っても塗膜は密着しませんから、被塗面を#800~#1300程度で研磨して足付け処理を行います。また製造時のゲート部分のバリがある場合は#120~#500と当て板を使って均しておきます。

ブース内の床と壁、塗装台は予め清掃してあります。通常の塗色=下地を隠蔽する塗装であれば多少のゴミでも誤魔化せますが、透過性塗装の場合は延々それが見えてしまうのでとても気を遣う必要があり、かといって毎回塗装前の準備に多くの時間を費やしてしまうと費用が今の倍くらいになってしまいますから、ある程度の数を纏めて作業をする事でコストを落としています。

スモークはベースコートで、4~5コート程に分けて塗っています。

今回のように薄めのスモークは微調整が難しく、塗料中のスモーク含有量を減らし、逆にコート数を多くする事で対応しています。先ほど紹介したゴミの付着の件もそうですが、塗り過ぎて濃くなっても塗り直しは出来ませんから、通常の塗色より気を遣います。

ご指定の画像を参考に濃さが決まったらしっかり乾燥させ、

最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります。

前記したようにテールランプ等の透過性塗装はかなり気を遣うので、あと数年で受付を停止しようと考えています。丁度今の私が「車体の塗装」の引退を考えていた年齢で、今後は身体的に衰えが顕著に表れると思っているので、それに併せて仕事内容も徐々に変えていこうと考えています。

とは言ってもまだあと25年は働かないといけない状況ですから、塗装屋自体を辞めるという訳では無く、後で焦らなくて済むよう徐々に環境を変えていくといった感じですね。うちは代々糖尿病になる家系なのですが、せめて私はそうならないようにとかなり気は遣ってはいます(その甲斐あって現在健康面で問題は殆どありません)。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!