スバルエンブレム(ピンクゴールド)本塗り

先日お預かりしておりました現行スバルインプレッサ用前後エンブレムです。その後メッキ枠は下地処理を行い、60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

作業のタイミング的に少し早いのですが、現在スバルのエンブレムは7セットくらい、その内3台分を並行して作業していますので、それぞれ間違えないよう先行して一つずつ進めていくようにしています。塗ったプレートと枠が違う!なんて事になったら地獄ですので(想像しただけで胃が…)。

  尚、念のために被塗物には印をつけてあります。

サーフェサーを塗ったメッキ枠を研磨して表面を平滑にします。

手で持って塗れるようクリップで固定をしたら本塗り準備完了です。

メッキ素地に直接上塗りを行っても塗膜は十分に密着しませんが、適切な下地を作れば通常の被塗物と同様の塗装が行えます(ただしプライマーとサフェでメッキが透過しなくなるので「ブラックメッキ風」等の塗装は対応出来ません)。

フチまでしっかり塗れるよう、裏側には広いスペースを設けて固定をしています。

まずは下色となるシルバーを塗ります。

通常のキャンディーカラーではより発色が良くなるよう輝きの強い粗目のメタリック(STANDOX MIX598)を使いますが、ピンクゴールドは上品な質感にしたいので、粒子が細かく輝度感の強いSTANDOX JLM-906を使っています。

ちなみにこれでさらに金属感を出したい場合は、下に黒を塗り、JLM-906を薄くして(シンナーでは無く樹脂を増やす)黒を透過させ、透かしと正面との明度差を大きくするようにします。以前施工したV-MAXのキャブレターサイドカバーのような塗装でですね。ただ当然黒っぽいシルバーになるので、今回のような明るいピンクゴールドには使いません。

シルバーが塗り終わったらアクリルプレートも合流します。ここからは同じキャンディー塗装になります。

アクリルプレート表面は既にクリアーを塗っているので、この時点でプラスチックプライマーを塗る必要はありません。足付け処理はしてあります。

透過性のピンクゴールド(ベースコート)を塗布します。

通常のキャンディーカラーと同様、含有量を減らしたベースコートを4~5コート程重ねて色味を着けていきます。

同じようにシルバーの上にも重ねていきます。

仕事上では「長年の勘で」という考えが好きでは無いので(そもそも自分の記憶というのを信用していないので)、色を確認する際は画像や実際の色見本と見比べながら作業を行うようにしています。伝統工芸等で「2度と同じ模様は出来ない」みたいなアート的な紹介をされる場合がありますが、そういうのはどうも作り手側の言い訳に聞こえてしまう所があって私的には好きでないです。

着色=ベースコートが終わったら十分に乾燥時間を設け(フラッシュオフタイム)、最後にクリアーを塗ったら本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります。

同じピンクゴールドでも、下地がメッキ(六連星)とメタリックとでは色味が違うのが判るかと思います。

同じ色相(塗料)でそれぞれ質感が違って見える組み合わせはむしろ面白いと思います。組付けが楽しみですね!

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!