自作塗装ブース② 天井フィルター編

factory_65前回壁を作った「躯体編」に引き続き、今回は塗装ブースの肝となる「天井フィルター」の設置を紹介しようと思います。

自作で塗装ブースを作る上ではここが一番難しく、またこれが無いと単に周りから埃を集めるだけの集塵機となってしまうので、高品質な仕上がりを目指すのであれば是非自作のブースでもこれの設置をお勧め致します。

factory_36天井フィルターを支える為には何かしらネット状の物が必要で、今回の塗装ブースではこれにコンクリートを流し込む時に使う「ワイヤーメッシュ」を利用しました。コスト面ではこれが非常に優れていて、その辺のホームセンターで一枚¥300くらいで買えると思います。

ただ塗装ブースに使う事としては少々(と言うかかなり)厄介な事があって、売っている状態では錆止めの為に全体に油が塗ってあるので、最初にそれを完全に除去する必要があります。

一枡ずつ拭き取るのは大変なので、私は刷毛と灯油で上から洗い流すようにしました。丁度床の油も掃除したかったですしね。

その後、さらにシリコンオフを使って洗い流すようにし、最後に錆止めの為のプライマーを塗っておきます。しかしこれらの事を考えると、もう少し違う方法を探しが方が良いかも知れません(結構大変です)。

factory_38 端の飛び出た部分はワイヤーカッターで切り取ります。頑張れば少し大きいペンチでも切れないことはありませんが、多分手のひらが相当痛くなるかと・・・。

factory_37 今後のメンテナンスの事も考えて、ネットは片側開きになるようにしてあります。お陰でなんでも一人で出来るようになりました(苦)。

factory39先ほどのネットの固定にはこういった配線止めの金具を使っています。わざわざ蝶番などを用意すると高く付きますが、これなら100個で¥1,000くらいとかなりお得です。

factory_39塗装ブースの横幅は5メートルくらいあるので、通常であれば鉄鋼材で躯体を作る必要があるのですが、今回は天井の低さを逆手に取ってこのような感じで梁に木材を持たせてあります。

ここに20cm~40cmの隙間の空間が出来るので、天井裏全体をチャンバー室として空気を流します。

factory_46と言う訳でネットの設置が完了です。あとはその上に天井フィルターを敷いてネットを固定していきます。

factory_60 こちらが天井に貼る非常に目の細かい2次フィルターです。フィルター全体に粘着物質が着いているので、これによって極微細なホコリもキャッチしてくれます。

factory_56 これもまともに買うととても高い物ですが、今はインターネットからメーカー直販で買ったりすれば、市販価格の半額以下で買えたりします。今回はブース1台分で10万円くらいで買えました。以前ディーラーに居た頃は確か40万円くらいだったような気が・・・。

factory_57 ワイヤーメッシュの固定には軽天の部材を使います。これはトタンのような極薄いスチール素材で出来ていて、通常の鉄鋼部材のような強度はありませんが、フィルターとネットの周り全てをこれで挟むように固定すれば強度も十分です(画像のは落ちてこないように仮止めとして真ん中に通しています)。

factory_55 こんな感じで隙間無くフィルターを固定していきます。ブースの奥(裏)にある一次フィルターを通ったエアーが天井全体に送られ、この二次フィルターを通るようになります。

factory_58注意する点としては、とにかく隙間が出来ないようにですね。

factory24ブースの奥にあるファンから強制的に送られたエアーは、1次→2次と二重のフィルターを通ってブース内にクリーンなエアーを供給し、汚れた空気は奥の浄化装置を通って排気されていきます。

electric尚、ブース内の気圧がマイナス圧になってしまうと周りからホコリを吸い込んでしまうので、ブース内の気圧はプラスマイナスゼロか、弱プラス圧にする必要があります。

排気装置には元々出力の調整が出来るようになっているので、今回は給気側のファンもインバーターで制御出来るようにしました。幸いにして機械制御の仕事をしている友人が居たので色々手伝って貰えたのです。

次回はこれら制御関係についてと、その他ビニールカーテンやエアーフィルターなどの付帯設備について紹介したいと思います。

出来ました!→自作塗装ブース③ 制御&備品編

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Optionally add an image (JPEG only)