ブレンボキャンディーレッド

  いつもご贔屓を頂いている業者さんからのご依頼で、「明るい赤メタリックに」とご指定を頂いたブレンボブレーキキャリパーです。ただ考えてみると赤系の明るいメタリックはキャンディー塗装じゃなければ不可能!という事に気づき、シルバーを塗ってから透過性の赤=キャンディーレッドを塗る事にしました。

画像はまだクリアーを塗っていない段階で、この後ロゴ入れの塗装も行います。

ちなみにブルー系であれば2コートパールでも比較的鮮やかで明るい色味を表現出来るのですが、

赤系の場合、2コートのパール塗装だけではどうしても鮮やかさが出せません。

いずれは新しい顔料が開発されてそういうのも出来る日が来るのかも知れませんが、今はまだそう言うのが無いのです。

またゴールドも同様で、この場合パールでは無く着色メタリック、またはシルバーにイエローを入れた仕様となりますが、これも「金色」といったイメージとは遠いです。尚、パールでゴールドを表現しようとしてもやはり足りません。

対してこちらがキャンディーカラーのゴールドで、先ほどのゴールドと比べるとまるで違うのが判ると思います。下地に粗目のシルバー(MIX598)を塗り、その上にオレンジとイエローのキャンディーカラーを混ぜた物を重ねてクリアーを塗っています。

ただ現在ご依頼頂いている案件ではこういったゴールドでは無く、

 所謂「ライムゴールド」でご指定を頂いておりまして、それの色見本を作成しているところです。

こちらもキャンディーカラーで、以前トラックのサイドマーカーの塗装をするのに購入していました。

ライムゴールド系は濁りがあるので余り使う機会は無く、私も超久しぶりに使いました。仕様はSTANDOXのベースコート用バインダー(樹脂)に顔料(または染料)を入れ、クリアーでコートしています。

キャンディーカラーの場合は下色や塗り方で色味が変わってしまうので、大抵の塗装屋さんはその場で適当に作った色を塗る事が多いと思いますが、自補修(自動車補修塗装=板金塗装)をやっていると「元の通りに戻す」と言う作業が体に染みついてしまっているので、後で再現が出来るよう配合データや色見本を残す(作る)ようにしています。職人の勘とか経験などに頼るのでは無く、記憶が無くなった数十年後でも同じ仕上がりで仕事をしていたい訳です。

同じように業者様からのご依頼で、以前施工した時と同じグリーンでランサーのヘッドカバーを塗装しました。当時最初は「ランボールギーニのライムグリーン」といった話が出ていたのですが、3コートパールのそれよりもこのグリーンの方が彩度が高かったのでこちらを採用しています。尚、以前施工したのは1年前ですが、色の配合データがあるので100%に近い数値で同じ色に再現が出来ているかと思います。

ちなみに以前、同じくブレンボキャリパーをキャンディーレッドで塗っていますが、こちらはマツダのソウルレッドをベースにしているので、今回塗っているキャンディーレッド程鮮やかな赤ではありません。下地はシルバーでは無く赤系のメタリックパールなので、透過した光の反射はそれ程でもないのです(ただムラが出にくく塗る量も少なくて済むので作業的には楽です)。

今回塗っているのはこちらの純粋なキャンディーレッドなので、要望にもお応え出来たかと思います。

キャリパーは承諾が頂けたら後日完成画像も紹介したいと思います。

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