こちらはいつもご贔屓頂いている業者様からのご依頼で、普段はこういった業者間でのご依頼は紹介することは無いのですが、今回のアンリミッテッドワークスさんは全然問題無いとの事ですので今回は一応画像撮っておきました。既に納品済みですので一連の流れを紹介しますね。
多分元の色は「赤」だったと思うのですが・・・どこにもそんな痕跡はありません。
ちなみに画像ではクリアー層が浮いて剥がれてきていています。これは所謂「層間剥離」で、ブレンボのキャリパーでは良く見られる光景です。
ちなみに当店でキャリパーに塗っている塗装は耐熱塗料でも焼き付け塗料でも無く普通の2液ウレタン塗料です。よくそれを言って「大丈夫なんですか?!」と心配されますが、恐らく焼き付け塗装だった物が上の画像のようになる訳ですからそこに意味があるとは思えません。
ここで紹介はしていませんが、私と同じような事業形態としてTACさんに間借りして営業しているブレーキ専門の方が居まして、その方からは月に何セットもブレーキキャリパーの塗装はご依頼頂いています。多い時には一ヶ月に20個くらい塗る時もありますが、未だ剥がれたとか何かしらのトラブルも聞いた事はありません。普通の塗料で塗って問題が起きるのは多分違う所に問題があると思っています。例えば旧塗膜に問題があってそれを剥がさずに残したままだったとか、アルマイト処理された表面にそのまま塗装してしまったとか・・・でしょうか。まあ新品で塗膜削り落とすっていうのもちょっと勿体無い気もしますけどね。逆にいつもご依頼頂いているブレーキ屋さんは新品でも全部下のような状態にしてしまいます。
こんな感じで劣化した塗膜はサンドブラストで全て剥離されました。
ブレーキ屋さん曰く、「サーキットでタイムアタックするような走り方をするならどんな塗装でも無理だよ。だからAPとかブレンボレーシングのキャリパーは塗装じゃ無くてアルマイトでしょ?」、との事です。さらに業界のマズイ裏話が続くのですが、あまり公にする事でも無いのでとりあえずはこの辺で・・・。
実はこちらは以前同じ色でヘッドカバーを塗られたオーナー様の物で、この色が大層気に入られたようなので今回キャリパーもお揃いにされたようです。bremboのロゴはシールでは無く白の塗装で入れてます。
下地としてはサフェーサーは入れずプライマーのみですのでアルミ素地の梨地(ザラザラした肌)の影響は残っていて、例えばクリアーの二度塗りでさらに艶々に出来ますが、キャリパーならこれで十分かと思います。
ここで紹介している以外にも業者さんからのご依頼品は結構多く、現在もS20のヘッドカバー(ハコスカのです)を艶々の黒にするとか、ポルシェの同じくブレンボのキャリパーを赤く塗り直すとか、整形美容機器の外装パーツだとか結構色々な方面からご依頼を頂いていまして、ここの更新が遅れていたら大抵はそっちの仕事に追われているような状況ですかね・・・。