メルセデス500Eエアークリーナーボックス 凸文字素地調整

benz2 こちらも大変お待たせしました。メルセデス500Eのエアークリーナーボックスの蓋はようやく作業着手となります。

作業内容としては「MERCEDES-BENZ」の文字の上面部分と、中央にあるスリーポインテッドスターを往年の姿と同様にシルバーに塗って欲しいとのご依頼となります。簡単そうですが塗装屋さんなら難しいのは解りますよね。むしろ私も上手く出来るか心配で、ほぼ毎日イメージトレーニングに励んでいました(と言うか悩んでいました・・・)。まあお陰様で完成形までのイメージは出来上がってますので(妄想のレベルです)何とか良い感じに仕上げたいと思います。

上の画像は部品自体の洗浄作業で、こういったプラスチック製品は新品だと離型剤、中古の場合でもオーナー様が黒光りさせる為にワックスを掛けていたりするのでそれを良く落としておきます。

ただいきなり溶剤を使ったりすると染みになったりする製品もあるので、最初にシリコンオフが大丈夫かどうかをテストしてからの洗浄作業となります。シリコンオフで駄目だったらアルコール、それでも駄目だったら中性洗剤ですかね。これの順番は勿論脱脂能力の順です。

benz3で、無事第一回目の脱脂作業が完了しました(最後までにあと5回程度は行います)。素地にダメージが無いのは解ると思います。

で、色々悩んでいた事がこの凸文字の歪です。表面が平らじゃ無いのが解りますよね。何気ない事でも塗装の世界ではこういった事が結構厄介です。

ちなみに今回の作業方法としては「この文字一つ一つをマスキング」といった結構恐ろしい事を想定していますので(悩みましたがこれが一番かと・・・)、文字の側面と上面でのエッジ部分もシャープに仕上がっていた方が良いのです。上面の歪に関しては「これがオリジナルだからこのままでも良いかも」と思っていましたが、凸文字上面に塗るシルバーのフチがシャープに仕上がるかどうかは素地の具合にもよりますので、今回はこの部分を面研してシャープに仕上げておくことにしました。

benz4まず他を汚さない為にマスキングです。文字とスター以外の箇所は触れない予定なので傷など付かないように注意しておきます。

benz5最初は#240から始めていましたが予想以上に文字の上面が凸凹だったので途中から#180に変更してガシガシと研ぎ付けます。文字の真ん中が凹んでいるのが解りますよね。

benz6素材を確認し忘れていたのですが、意外とザクザク削れてくれるのでどうやらPP(ポリプロピレン)では無さそうです。PUR(ポリウレタン)って所ですかね。

PP素材は切削性が悪いので加工性が悪いといったデメリットがありますが、これが逆に「割れ難い」といったメリットでもあります。なので自動車のバンパーなどに多様されている訳ですね。あれが割れるといった事は相当な衝撃の筈ですので。

逆にABSは「割れやすい」といったデメリットはありますが、切削性も良く加工性に優れているので日用品にはかなり良く使われています。

その他バイクのフェーエルタンクにはPA(ポリアミド)が使われたり、透明性が必要なレンズ類などアクリルやポリカーボネートが使われたりと、樹脂(プラスチック)はその用途によって色々な種類のものが使われていたりします。

benz7ペーパーの番手は、#180→#240→#320→#400→#600→#800と徐々に細かくしていって仕上げます。サフェーサーは塗れないのでこの辺をしっかりやっておく必要はありますかね。